SA・PAでは10時間以上駐車することは禁止
キャンピングカーや車中泊仕様車は、駐車スペースさえあれば何処でも宿泊できて便利なクルマだと、販売店などでは謳っているが、実は大きな間違いだ。最近、車中泊の増加によって、車中泊禁止の看板を掲げるドライブインや道の駅が増加し、なかには土日祭日のキャンピングカー入場禁止の立て札を駐車場入口に掲示するドライブインまである。
そもそも道の駅や高速道路のSAやPAの駐車場は宿泊禁止となっており、唯一許されるのは運転の疲労を回復させる仮眠のみ。そのため、10時間以上も駐車して車中泊を行うことは禁止となっている。
また、温泉施設などの駐車場での車中泊も原則禁止。施設によっては、日本RV協会の傘下にある「くるま旅クラブ」が認定する「湯YOUパーク」や「RVパーク」の提携パートナーになっているケースもあるが、会員が施設を利用することを前提に、そのほかに車中泊料金を払わなくてはならないシステムなので、無断で車中泊をしてはならない。
公共施設や公園などの無料駐車場も、施設開設時間の駐車を目的に設けられているので、車中泊は原則禁止となっているのだ。
このような公共駐車場や公園などでも、一部を車中泊用に開放する施設があり、ネットや口コミなどで広まっているが、あくまでも車内での車中泊を認めるだけで、車外にテーブルや椅子を持ち出してのキャンプ行為は禁止になっている施設が大半。ましてや車外にテントを張ったり、調理する行為などは厳禁となる。
さらに海水浴場などで、浜辺にクルマを乗り入れて車中泊やキャンプ行為をすることも原則禁止。これらの場所は地方自治体や国が管理を行っているので、事前に許可を取らないと不法占拠とみなされ警察に通報されるケースさえあるのだ。
そして最近よくあるケースなのが、24時間営業の商業施設やショッピングセンターにどの屋外駐車場での車中泊。
この場合、駐車スペースにクルマを駐車し、車内で睡眠するだけなら許されそうで、以前は大目に見られていたが、駐車場での犯罪が叫ばれるようになってから、大半の施設で防犯カメラが設置され、数時間に渡り駐車していると警備員が視察しに来るようになった。
そうなると車中泊どころでは無くなるので、絶対に避けるべきだ。
このように、車中泊が可能な場所は、指定された有料施設しか認められないのだが、キャンピングカーのサークルのメンバーなどは、無料かゴミ諸理費を数百円徴収されるだけで、車中泊どころか数日間のキャンプが可能な場所の情報を知っている。
これらの超格安施設のほとんどは、地方自治体や入浴施設、レジャー施設などが管理運営し、トイレや水場が使える場所がほとんどとなっている。
四国のPAのなかには、無料のキャンプ場を開設していたり、埼玉県の入浴施設では、正規のオートキャンプを併設しながらも、施設裏の公園をキャンプスペースとして無料開放している。実は、このような施設を探すのは、最近では難しくなくなっているが、車中泊したい地域の「車中泊スポット」をネットで検索すると、意外と簡単に出てくるのだ。
例えば「千葉県 車中泊スポット」を検索すると、道の駅をメインに、夜間でも無料で使用可能な駐車場が出てくる。道の駅は原則的に仮眠のみ許されるだけだが、海水浴場などの駐車場なら、駐車スペースを守って駐車しての車内睡眠なら、基本的に許される場所が大半だ。
ただし、このケースでも、就寝場所や飲食を行う場所は車内のみ。車外に椅子などを持ち出したり、コンロを持ち出しての炊事は禁止だ。調理などを行う場合は車内のみとなるので、調理設備のあるキャンピングカーでないと不便になってしまうことも理解しておきたい。
だが車外での調理が不可能でも、千葉県なら鋸南町にある保田漁協直営の「ばんや」では、車中泊が歓迎され、有料の天然温泉施設があり、食堂が朝7時からオープするなど、寝る場所のみが車内でも、食事も入浴も可能な施設もある。
このような車中泊者に優しい施設を探して利用するのが、車中泊をする上で重要だろう。