パンク修理剤の有効期限はおよそ4年
最近のクルマは、軽量化や燃費向上のためにスペアタイヤ(テンパータイヤ)を廃して、代わりにパンク修理キットが標準になっているクルマが増えてきている。このパンク修理キットに入っている、肝心要のパンク修理剤には、有効期限があるのだが、それをきちんと把握しているだろうか?
パンク修理剤の有効期限はおよそ4年。製品によって、2年のモノもあれば6年のモノもあるので、まずはココををチェックしてみよう。
最近は、パンクしても走行できるランフラットタイヤを装着するクルマもあるが、そのような車種にはパンク修理キットさえ搭載されていない。しかし、ランフラットタイヤの硬い乗り心地や価格の高さを嫌うユーザーは、普通のタイヤに変更しているケースもある。そのようなユーザーは、市販のパンク修理剤(ガスと修理剤が1本になっている)を使用しているケースも多い。もちろん、こちらも使用期限は存在する。
さて、有効期限が迫っていたり、切れていたらどうするか?
パンク修理剤は2000~5000円ぐらいと高価なモノではないので、いざというときに備えて、新しいものに交換しておくのがベスト。万が一、パンクしたとき、有効期限切れのパンク修理剤を使うとどうなるのか?
マツダのホームページには、「有効期限が過ぎるとゴム分子が固まりクリーム状になってくる上に、液量が減り、パンク穴を塞ぐのに十分な液量がなく、修理できない可能性があります。有効期限が切れたものは安全性が確保できない為、使用しないでください。有効期限が切れる前に新しい修理剤をお買い求め頂きますようお願いいたします」と書かれている。
やはり、車検毎にはパンク修理剤の有効期限も確認しておいた方が安心だ。
ただ保安基準だけでいえば、スペアタイヤやパンク修理キットがなくても車検は問題なくクリアできる。当然、有効期限切れのパンク修理剤しか持っていなくても、車検は通る(一部の修理工場では、「パンク修理キットがないと車検に通りません」といわれることもあるらしいが、それは誤解……)。
とはいえJAFのデータでも、タイヤのパンクはロードサービスの出動理由の2番目と、意外に身近なトラブルのひとつ。決して他人事ではないので、やはり有効期限を満たしているパンク修理剤は常備しておきたいところ。そのうえでもし、愛車がパンクした場合はJAFなどを呼ぶのがやはりベスト!
その理由は、あまり知られていないが、JAFの会員ならレッカーやタイヤの交換作業だけでなく、現場でタイヤショップと同等のパンク修理(外面修理)も可能で、なおかつ無料で頼めるからだ。
なお、自動車保険に付帯するロードサービスは、保険会社によって担保している内容が異なるので、問い合わせをするなど事前に調べておくといいだろう。
そもそもパンク修理キットは、タイヤの接地面に刺さった釘やネジなどによる軽度のパンクを一時的に修理するものなので、そのまま長期間乗り続けるのは不可能。しかもパンク修理剤を使うと、薬剤の影響でそのタイヤは基本的に再利用できなくなる。つまり、まだ溝が残っていたとしても、買い替えが必要になってしまうわけだ。
そのようなことからも、パンク修理剤を使うのは、よほど急いでいるときか、携帯電話がつながらないような山奥でJAFなどの救援を依頼できないといった場面だけにしておいた方がいいだろう。
というわけで、パンクしたタイヤの再利用を考えるなら、JAFなどに救援依頼をするのがベストなのだ。