ひと口にキャンピングカーといっても「バスコン」「キャブコン」「バンコン」「キャンピングトレーラー」など、タイプはさまざま。キャンピングカーを選ぶ際も、どれにしたらいいのかわからず、頭を悩ませてしまいますね。
そこで人気の2タイプ「バンコン」と「キャブコン」に注目して、どのような特徴があるのか比較してみましょう。
車体後方の居住性を高める架装は共通
「バンコン」とは「バンコンバージョン」の通称で、ワンボックスやミニバンをベースに架装したもの。ルーフを高くして居住性を高めた「ハイルーフ」、ルーフが持ち上がって駐車時のみ天井を高くできる「ポップアップルーフ」などがあります。
「キャブコン」は「キャブコンバージョン」の略で、トラックやワンボックスのキャブ(運転席部分)が付いたシャシーに、居住スペースを架装したもの。運転席の上に張り出した空間(バンク)が特徴ですね。
バンコンとキャブコンは「サイズ」が違う!
では、バンコンとキャブコン、それぞれの特徴を紹介していきましょう。
キャンピングカー購入で気になるのは、ボディサイズです。見た感じではバンコンは小さく、キャブコンは大きい印象を受けますが、キャブコンでも5×2mの駐車場サイズに収まるコンパクトなモデルもあります。
反対にバンコンも、ロングボディベースであれば全長は5m未満ですが、居住性の高いスーパーロングボディベースでは5m以上となり、一般的な駐車場でも駐車が難しくなる場合もあります。
では、サイズ面でバンコンとキャブコンの大きな違いはどこにあるのでしょう。それは高さにあります。バンコンのハイルーフモデルの場合、全高は約2.3m。スーパーハイルーフでも2.5mほどです。しかしキャブコンになると、全高は3m近くになります。
自宅の駐車場に高さの制限がある人は、キャブコンよりもバンコンのほうが現実的な選択肢となりそうですね。
バンコンとキャブコンは「走行性」が違う!
バンコンのほとんどは、ハイエースやキャラバンなどがベースとなっているので、走行性は乗用車に近い感覚です。そんなことから、初めてのキャンピングカーにバンコンを選ぶ人も少なくありません。
キャブコンの場合は、一部にはハイエースなどワンボックスのボディをカットして架装したモデルもありますが、基本的にはトラックがベース。
バンコンほどの走行性は望めません。さらに重量が重くて思うように加速できなかったり、表面積が広いぶん空気抵抗が大きく横風の影響を受けやすかったりもします。足回りを強化することで走破性を改善するケースが多いです。
バンコンとキャブコンは「居住性」が違う!
居住性については、キャブコンに軍配あり。バンコンに比べ室内は圧倒的に広く、リビング、キッチン、トイレ&シャワールーム、常設ベッドなどがレイアウトされています。
また、リビングとは別にベッドが確保されているモデルがほとんどなので、就寝時にリビングのソファを展開して、ベッドメイクしなくてもいいメリットもあります。
対するバンコンは、基本的にワンボックスをそのまま利用しているので、キャブコンに比べると圧迫感があることは否めません。常設ベッドを装備したり、トイレや荷室に使えるマルチルームを備えているモデルもありますが、そのぶんリビングスペースはより狭く感じてしまいます。
バンコンとキャブコンは「日常性」が違う!
普段の買い物や通勤などにもキャンピングカーを使いたいのであれば、やはりバンコンのほうが使いやすいです。とくに都市部で生活しているのであれば、ファミレスやスーパーの駐車場は高さ制限がある場合が多いので、キャブコンでは気軽に入ることができません。
ハイエース・ミドルルーフをベースとしたバンコンならば、全高は2.1m。高さ制限があるファミレスやスーパーでも、大半の場所で利用が可能ですよ。
ユーザーのタイプ選ぶキャンピングカー
このように特徴を整理してみると、バンコンとキャブコンの違いがハッキリとしてきます。これらを考慮して、自分が求めるキャンピングカーライフと照らし合わせてみると、どのタイプを選べばいいのかが見えてくるはずです。
では、どちらのタイプがどんな人に向いているのかを整理してみましょう。
バンコン
・自宅駐車場のスペースにあまり余裕がない人
・1カ所に長居せず、ロードトリップを楽しみながら旅を楽しみたい人
・キャンプ場では基本的に野外で楽しみ、就寝時にキャンピングカーを利用する人
・2人程度の少人数で楽しむ人
キャブコン
・自宅駐車場のスペースにあまり制限がない人
・ロングドライブを楽しむ旅よりも、1カ所に滞在してキャンプを楽しむ人
・キャンプ場でも室内を中心に楽しむ人
・3~4人のファミリーで楽しむ人
一概には言えませんが、これらを参考にして自分の思い描くキャンピングカーライフを実現できるタイプのキャンピングカーを選んでみてください。