シートベルトの警報、全席義務化へ
JAFが非着用が招く危険をホームページで公開
JAF(一般社団法人日本自動車連盟 )は、警察庁と合同で実施した「シートベルト着用状況全国調査2018」の結果をもとに、インフォグラフィック「シートベルト着用有無が明暗を分ける」をホームページ内で公開。年末年始でクルマを使う機会が増え、交通事故の多発が心配される時期を前に注意を呼びかけている。
さて、今回の調査では後席でのシートベルト装着率の低さが際立った結果となった。いま一度、シートベルトをしないことで起こり得る危険性について知ってみよう。
■後席でのシートベルト着用「62%がしていない」
2008年、後部座席のシートベルト着用が義務化。あれから10年が経過しているが、2018年の調査結果においても、 一般道路での着用率は後席での着用率は38.0%だった。
これは運転席98.8%、助手席が95.9%だったのに対して、後席では約3人に2人にあたる62.0%がシートベルトをしておらず、実に低い装着率なのである。
また、高速道路でのシートベルト着用率は、運転席99.6%、助手席98.5%とそれぞれ着用率は高かったものの、後席では74.2%と前席に比べて低い着用率だった。
この結果は、昨年の調査よりも0.2ポイント減少。残念ながら2011年以降では初の減少となっている。
■非着用が招く3つの危険とは?
後席に乗車する人のみならず、衝突の勢いで前席の同乗者に致命傷を負わせたり、車外に放出される危険性など、シートベルト非着用によるリスクは大きい。
後席だと車外放出するイメージがない方が多いかもしれないが、実際はクルマが横転した際にサイドドアの窓などから投げ出されてしまうケースもあり、非常に危険。「自他含めた安全確保のためにも全席でのシートベルト着用が必要」と、JAFは注意を促している。
【後部座席でシートベルトしないと起こりうる危険性】
1 車内の構造物(ピラーやシートなど)に激突し、 自らが傷害を負う危険性
2 運転者や助手席同乗者へぶつかり、 危害を加える危険性
3 窓などから車外に放出される危険性
なお、国土交通省はシートベルトをせずに走行すると警報音が鳴る装置「シートベルトリマインダー」の設置を、2020年9月1日以降に発売されるすべての新型乗用車に義務付けることを明らかにしている。
従来からの警報の対象を拡大し、後席を含むすべての座席をその対象とするもの。後席シートベルト着用率の向上と交通事故抑制効果が期待されている。
最後にJAFは「制度が前進することよりも重要なのは、ひとりひとりの危機意識。 運転する人と同乗者が相互に、常に、シートベルトの着用を確認し合うことを忘れないように気をつけてほしい」と呼びかけている。