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東欧を代表する自動車メーカー「タトラ」戦後のモデルと終焉まで

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

タトラ T613「ヴィニャーレが描いた6ライト/4ドアセダン」

 T603でコンサバに仕立てられたが、その後継モデル「T613」ではさらにモダンなエクステリアを手に入れることになった。
 チェコスロバキア共和国がまだ共産圏だった時代。それは今日考えるよりもはるかに画期的な出来事だったはずだが、タトラはT613のエクステリアデザインをイタリアの「カロッツェリア・ヴィニャーレ」に発注したのだ。出来上がってきたのは写真のようにクラシカルな印象は拭えないが、それでも半世紀近くも昔を思い起こせば充分すぎるほどモダンだったはずだ。

 パッケージは6ライトの4ドアセダン。リアビューでは、リアエンジン搭載車であることを主張するものではなく、リッド上のささやかなルーバーが、それを知らしめるくらいだ。注意深く観察していくとリアのオーバーハングがT603よりも大幅に短縮されていることが分かる。これはホイールベースが2980mmへとT603に比べて230mm伸ばされたことによるもので、オーバーハングが短くなったというよりもリアのホイールが後退したというべきだろう。
結果的にエンジンの重心位置は、ほぼ後車軸上に前進し、リア・エンジンと言うよりミッドシップに近づいたと言えるだろう。
 1974年に登場したT613は、各部の改良を重ねながら、1991年にベルリンの壁が崩壊、チェコスロバキア共和国も分離、今の新しいチェコ共和国が誕生する激動の時代を生き抜いて、1996年に後継モデルに後を託して引退となった。

【Tatra T613】いまとなっては、当時の風情を感じるが、まだ若かったヴィニャーレによって6ライト/4ドアセダンに仕上げられたT613のエクステリア。先代モデルのT603シリーズと比べてはるかモダンに生まれ変わり、3m近いロングホイールベースが、その存在感を一層強烈にアピールしている。
一方、リアのオーバーハングは随分切り詰められ、T603シリーズの大きな特徴となっていたクーリングエアのダクトは廃止。言われなければリア・エンジン車であることに気付かないかもしれない。
コプジブニツェのタトラ技術博物館で撮影。

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