洗車機がどんなに高性能化しても
ホイールなどは手洗いが必要だ
洗車ブームだった1990年代に比べ、コイン洗車場の数は減ってきている。そうなると困るのが集合住宅や月極駐車場など水道の蛇口がない駐車場にクルマを止めているオーナーだ。確かにガソリンスタンドなどの洗車機でボディまわりは洗えるが、ホイールなど細かい部分まで十分には洗うことはできない。
そこで注目なのが、手動ポンプ式のスプレー。洗浄機と謳う本格的なものや植木用の容量の大きいスプレーなどあるが、洗車機では洗いきれない部位を洗車するには十分だ。
近年の洗車機は、ソフトなスポンジを使用するなど洗車キズが付きにくくなっている。さらに、高圧水噴射による下まわり洗車機能もあり、下手な手洗い洗車よりキレイに仕上がる。しかし、ホイールの汚れやフロントウインドウの油膜などの除去は、やはり手作業しなければ完全には汚れは落としきれない。
ホイールの汚れの原因のひとつであるブレーキダストは、ブレーキローターが削れた鉄粉で、放置しておくと錆の原因となるし、フロントウインドウの油膜除去は雨の日の視界を確保するためにも重要だ。
一般的にホイールの洗浄・鉄粉除去剤、フロントウインドウなどに使う油膜皮膜クリーナーは、施工して汚れ(油膜)を落としをした後に、薬剤を水洗いしなければならないのがネック。
というのは、この作業をガソリンスタンドなどにある機械洗車した後の拭き上げスペースなどで行うのはマナー違反となる可能性も高い。拭き上げスペースでの作業は、ボディに残っている水滴を拭き取るくらいにして、速やかにを場所を空けるのが常識だ。
手動式ポンプは、ポンプでタンク内に空気を注入することで勢いよく水を噴射できるから、バケツでジャブジャブ水を掛けるより狙ったところに水を噴霧できるので効率良く水洗いが可能。錆の原因となる融雪剤など、フェンダーの内側や洗車機が届かないところを洗うこともできる。
手動式ポンプには、洗車用を謳う大容量タイプ(水が16L入る)から植木の水やり用のコンパクトなもの(水容量4Lくらい)まで種類はさまざま。容量が大きければ広範囲の洗車ができるが、持ち運びを考えると容量8〜10Lくらいが使い勝手に優れるだろう。
クルマ全体を洗うとは考えず、ホイールなど細かい部分を手動式ポンプと割り切ったほうが賢明だ。
また、最近の市販のコーティング剤などには「洗車後の濡れたボディに噴霧して延ばすだけ」とお手軽感を謳う商品が多くなっている。前述したようにガソリンスタンドの拭き上げスペースでコーティング作業をするのはマナー違反。そもそもボディの水滴は洗車機のブロワーでほとんど吹き飛ばされしまっている濡れていない。水を必要としないコーティング剤もあるが、拭き上げ不要というお手軽さは侮れない。
そのようなときは、洗車から自分の駐車場に戻ってから手動式ポンプで水を噴霧してボディを濡らせば、コーティング作業が可能に。パネル単位に濡らしながら作業すればセダンならば使用する水は2L程度。ペットボトルに水を入れて、家庭用の霧吹き(アイロンがけなどに使用するコンパクトなタイプ)で作業できてしまうケースもある。
最後に、作業する場所については、周囲への配慮や禁止事項などの確認は怠らないようにして自己責任で行ってほしい。