フロントウインドウの撥水コーティングは
レースでも使われる視界確保の必須項目
ワイパーを動かすだけでフロントガラスに撥水効果をもたらすという便利なアイテムが「(撥水)シリコンワイパー」。じつは、交換しただけでは、その効果を100%発揮できません。高い撥水効果は、装着時の「から拭き」が必要なのです。
フロントウインドウの撥水は、モータースポーツでも使用されるほど雨の日の必需品。最近は、ウインドウに直接塗り込む撥水剤だけなく、ウインドウウォッシャーやワイパーブレードなどガラスに撥水効果を与えるアイテムが増えています。
そんな中で”撥水タイプ”のシリコンワイパーブレードは、交換するだけでフロントウインドウの撥水効果を得られるので、もっともお手軽なウインドウ用の撥水グッズといえるでしょう。しかし、説明書をよく読むと「装着した時にから拭きしてください」と書かれているのをご存じでしょうか。
シリコンワイパーは、ブレードゴムのなかに撥水効果をもたらすシリコンを含ませたもの。ワイパーを動かすとゴムに混ざっているシリコンがガラスの表面に塗られていきます。これがワイパーを動かすだけで撥水効果を得る仕組みです。
ところが、ゴムに練り込まれたシリコンは液体のコート剤のように簡単にガラス面にうまく広がってくれません。ガラス表面にしっかりと広がるようにするには、ブレードに適度な摩擦を与えてシリコンを染み出させることが必要なのです。
そのような理由から、初めてシリコンワイパーを付けた際は、ガラスが乾いた状態で約3分間ほどワイパーを動かします(タイプによって作動時間が異なることがあるので説明書を確認してください)。これでブレードになかに練り込まれたシリコンが表面に染み出しガラスへ付着します。
このとき、ガラスにホコリや泥があると、ガラス面をキズ付ける可能性があるのであらかじめ除去しておくことも必要。濡れたぞうきんなど使ったときは、から拭きまでしましょう。さらに、油膜除去剤を使ってガラス表面に付いた油膜などを除去してからのほうが、シリコンワイパーの効果がキチンと生かせるようになります。