セットならDIYで交換することも可能
降雪や路面凍結のある地域はもちろんのこと、東京近郊でもスタッドレスタイヤに履き替える人は増加。しかし、大雪の予報が出ると、タイヤ販売店、ガソリンスタンドともに、例えタイヤを購入しても交換作業をなかなか受けてくれないということもある。
そこで便利なのがスタッドレスタイヤとホイールのセット販売というシステム。タイヤの組み替えと比べて作業は簡単なので、繁忙期でも(待ち時間は長いと思うが)交換してくれる可能性は高い。もし、交換できなかったとしてもホイールごとの付け替えなのでDIYでの作業も可能だ。
スタッドレスタイヤとホイールのセット価格は、タイヤのみ購入して組み替え&バランス取りを含めた工賃とほぼ同等。これに新品ホイールが4本付いてくるのだから、タイヤ単品で購入するよりお得とだろう。もちろんタイヤとホイールの銘柄によっても変わるが、仮に価格差があったとしても、冬間と春先それぞれでタイヤの組み替え&バランス取りをする費用(8000円/台〜)を考えると1シーズンでペイできるはずだ。
なぜスタッドレスとホイールのセットが、このような価格設定が可能かというと量販効果。つまり、需要の高そうなサイズのタイヤとホイールの組み合わせを事前に在庫して、数多く売ることで利益が出るようになっている。いわば薄利多売なのだが、絶対台数が少ない輸入車用サイズのセットのラインアップはあまり豊富ではない。
それだけにスタッドレスタイヤはホイール付きを選ぶ人が多いのだが、ここでひとつ注意点がある。それは、自身のクルマのホイールナットのネジピッチと座面の形状。店舗での購入ならスタッフがアドバイスしてくれるが、通販で購入するときは、くれぐれもチェックしてほしい。
ホイールナットは自動車メーカーによって異なる
クルマに詳しい方は知っていると思うが、純正ホイールではメーカーごと(車種ごと)にナット締めつけ側の形状がテーパー、球面、平面の3タイプある。
それに対して社外ホイールのほとんどはテーパータイプなので、純正で球面、平面のナットを使っていたら、ホイールセットとあわせてテーパーのナットも必要。つまり費用はナットぶん余計に掛かるので、場合によってはタイヤ組み替える方が安くなることもある。総額に拘る人はそこもチェックしたい。
ちなみに球面ナットはホンダ車全車(スチールホイールも)、平面ナットはトヨタ、日産、三菱、ダイハツの一部に使われている。
ナットの形状を間違えると接触面積が小さくなって、締め付ける力が弱くなってしまうので走行中に緩んだり脱落することがある。平面ナットの先端も角度が付いているが、テーパーとはまったく別モノ。くれぐれもホイールに合ったナットを装着してほしい。
タイヤ&ホイールを保管してくれるサービスとは
さて、ホイールセットにしてもタイヤのみにしても、外したものは保管が必要だが、最近はマンション住まいの人も増えているので自宅に置き場がなかったりする。また、流行のSUVなどではホイールが大径で重量も重いためそもそも運ぶのが厳しい。
そこで最近ニーズが高まっているのがタイヤ保管サービス。これはタイヤ販売店などが実施している有料サービスで、サイズごとに決められた料金を払うと一定期間、外したタイヤを預かってくれるというもの。
タイヤ販売店は地域ごとに保管場所を用意し、店舗で預かったタイヤ・ホイールを店舗間を巡回するトラックに積み保管場所へ持っていくというシステムだが、このサービスもかなり混み合っていて繁忙期だと巡回トラックに積みきれないという状況もあるし、そもそも受け付けを中断しているケースもある。それに夏タイヤに履き替えるタイミングもたいてい同時期なので、このときも配送が混み合う傾向だという。
そんな現状もあるのでタイヤ保管込みで購入しようと思っているなら、保管が可能かどうかや履き替え時に倉庫から送られてくる日数なども確認してほしい。