約50年ぶりにフルレストアされた名マシン
1月11日から千葉県幕張メッセで開催されている「東京オートサロン2019」のダイハツブースでは、新旧ダイハツ車のツートップが人気を分け合っている。
もちろん前者は「コペン クーペ」や「COPEN GR SPORTS CONCEPT」といった最新モデルだが、ここで注目したいのは後者。昨年の秋、およそ50年ぶりに従業員有志によってレストアされたレーシングカー『P-5』だ。
このマシン、1968年5月に富士スピードウェイで開催された第3回日本グランプリ・レースにダイハツのワークスチームとして5台が出場し、そのうちの1台がGP-1クラスで優勝を果たしている。
小排気量で軽量なマシンで大メーカーと対等勝負
当時はトヨタや日産もワークス体制で参戦していて、トヨタの『トヨタ7』は3リットルV8エンジン、日産の『R380』が後に日産スカイラインGT-R(C10型・ハコスカ)にも受け継がれる2リットル直6エンジンを搭載。さらに、このレースに参戦していたポルシェ906は2リットル水平対向6気筒を搭載していた。
それに対してダイハツの『P-5』は1.3リットル直列4気筒DOHCで当然非力(140馬力・13kg・m)だったが、エンジンはドライバーの背後に搭載するミッドシップレイアウトを採用。
軽量ボディや空力性能、燃費のよさなどを武器に奮闘して、総合でも10位に入賞と健闘している。ちなみにスリーサイズは全長3850×全幅1650×全高990mmで、車両重量はわずか510kgとのこと。
東京オートサロンで展示されたこの個体は、実は10年ほど前に一度ボディがレストアされている。ただその時は肝心のエンジンが見つからなかったので、展示用としての復元にとどまっている。
ところが後日、このマシンに搭載されていたエンジンのR92型が発見され、所有者の許諾も得たことで、走行可能な状態までのレストア作業がスタート。昨年11月にはダイハツ工業の奥平総一郎社長自らがステアリングを握っての走行が報道陣にも披露された。
デトマソ風カラーを纏うトコット登場
ステージ上への出展で注目を浴びているのはコペンの3台だが、中央にはコンセプトカーの「COPEN Cero SPORTS PREMIUM Ver.」を展示。大人が似合うコペンということでプレミアム感を演出するアイテムやメッキパーツを装着。そして隣の「コペン クーペ」とのシルエットの違いが際立っているのも改めて感じさせる展示だ。
そのほかでは、ニューモデルのミラ トコットの「スポルザVer.」「アクティブVer.」「エレガントVer.」という3台のコンセプトカーが勢ぞろい。
特にレッド&ブラックにカラーリングされて、1984年に登場した2代目シャレードに設定された「シャレード・デ・トマソ」を彷彿させるモディファイを施した「スポルザVer.」が多くのゲストに注目を浴びていた。
最後にもう1台、西海岸テイストで人気のビルダー「カリフォルニア工務店」とコラボレーションしたハイゼットトラック・ジャンボをご紹介しよう。