ジムニー、プラド、パトロールヘ
欲しい性能と機能性を提案!
SUV系車種の人気上昇にともない、アフターパーツメーカーもパーツラインアップを展開するようになってきた。SUVというとトヨタ・ハリアーやホンダ・CR-Vのようなスタイリッシュ系からスズキ・ジムニーやトヨタ・ランドクルーザーなどのオフロード系まで幅広いが、キャンプやアウトドアスポーツで活躍するのはオフロード系モデル。
かつて「クロカン」と呼ばれたこうした車種は、ちょっとした悪路なら難なく走れて、しかも結構大量の荷物も積載できた。まさに「遊びグルマ」として最適なのだが、そういう使い方をするときに、多くのユーザーが感じるのは「もうちょっとパワーがあったらいいな」ということ。キャンプ道具やアウトドアスポーツギアなどを載せると、重量も増えるから、加速感に物足りなさを感じるユーザーは多い。それに、いつも悪路を走っているわけではないから、舗装路でもしっかり走れる性能も欲しいところだ。
となるとエンジンのパワーアップが必要。しかし誤った「チューニング」はエンジンの耐久性を低下させたり、燃費を悪化させる可能性があるため、その第一歩を踏み出すのが難しいという人もいるだろう。
そこでオススメなのが、いわゆるライトチューンの代表格である「吸排気系パーツ」の交換。エアクリーナーとマフラーを交換するだけで、パワーの最大値こそそれほど大きく変化しないものの、エンジンの実用域でのトルク特性が変わるため、車種によってはノーマルより乗りやすくなったりすることもある。エキゾーストサウンドが変わるというだけでも、走りを楽しめるようになるだろう。
チューニングパーツメーカーの「トラスト」は、最近はこうしたオフロード系モデルのパーツを次々と投入しており、東京オートサロン2019でもチューニングサンプル車を展示していた。
【ジムニー】
まず、やはり注目したいのが「スズキ・ジムニー」。ジムニーは軽自動車の多くのモデル同様、ターボエンジンを搭載。吸排気系チューニングの効果が出やすく、マフラーとエアクリーナーだけでも、レスポンスやトルク特性が変化しやすいクルマだ。
トラストではこれらに加え、インタークーラーやインテークパイプ、ブローオフバルブといった吸気系パーツをシステムとして構成できるようパーツを提案。手軽かつ最大の効果を目指している。さらに、車高はエンドレスのサスキットで”ちょいアゲ”にセット。インテリアにはバケットシートとカラードステアリングを装着し、スポーティ&ポップなイメージに仕上げていた。
【ランドクルーザープラド】
吸排気系パーツの交換は、ターボエンジンほどではないが、NAエンジンでも効果が期待できる。「トヨタ・ランドクルーザープラド」は、2・7ℓガソリンエンジンを搭載するが、もともと低速トルク重視のエンジンということもあり、吸排気系の変更でさらにそのトルク感を向上。トレーラーなどをけん引する際の加速時に、その効果が体感できるという。
また、車体重量が大きく、さらに荷物を積載する機会が多いことから、トランスミッションなどの駆動系にかかる負担が大きいため、ATF用のクーラーも設定。ハードな使用を想定し、耐久性を高めるのが狙いだ。
【パトロール】
そして、吸排気系パーツ交換の究極の形といえる「ターボチャージャー」を装着しているのが、「日産・パトロール」。パトロールは日産・サファリの輸出仕様だが、海外ではこうした大型のクロカンモデルをチューニングするユーザーが数多く存在するそうで、このパトロールは「中東での砂漠レース」に必要なパワーを得るために、ターボキットを装着した車両だ。
トラストではターボチャージャー、エキゾーストマニホールド、インテークパイプ、インタークーラーなどターボ化に必要なパーツをすべてキット化。ノーマルでは280psの4.8ℓ直列6気筒エンジンに組み合わせることで、約500psのハイパワーを実現している。装着できるターボチャージャーの種類が多く、エンジン本体にも手を加えれば1000psも可能とのこと。
そして、そのハイパワーに合わせて操縦性やグリップ性能を高めるため、タイヤやホイールをワイド化する車両も多く、オリジナルのワイドフェンダーキットも設定。舞台が砂漠ならともかく、さすがに日本国内では、片側50㎜アップで2mをゆうに超える車幅となると、走れる場所が限られるかもしれない。しかし、走行性能の向上だけでなく、迫力満点のスタイリングを実現するアイテムとしてはパトロールのユーザーには魅力的だろう。 ターボキットおよびワイドフェンダーは日本仕様のサファリにも装着可能ということなので、「ハイパークロカン」を目指すなら、一考の価値ありのパーツといえるのではないだろうか。