遊び心をプラスした車検対応ミニバン
9月に追加されたトヨタ・シエンタの2列シート&5人乗りに、「MTG(宮城トヨタグループ)」が異色ともいえるカスタムを施した1台を東京オートサロンでデビュー。ディーラーならではの安心感をも備えた、ミニバンのリフトアップ仕様に迫ってみる。
キャンプやトレッキングなどの流行は衰えることを知らず、また車中泊も単なるコストダウン目的じゃなく、それ自体を楽しむスタイルが定着してきた。最新のアウトドア・スタイルをより快適に、かつ身近なモノにするべくMTGが提案するのは、コンパクトなミニバンとして人気の『シエンタ』リフトアップ仕様だ。
一見は過激なカスタム車両に見えるが、製作したMTGはトヨタ自動車のディーラーであるために完全な車検対応モデル。そう聞くと「ノーマルとさほど変わらないんじゃない?」と思うかもしれないが、合法という枠のなかで遊び心をたっぷりと演出しつつ、機能性と快適性を高めている。
最も分かりやすいのは足まわり。「テイン」と共同開発した車高調でリフトアップしているが、この状態であれば車検はそのまま通るし、未舗装のキャンプ場などへ行っても気を使わない。タイヤは「グッドイヤー」のオールシーズンを装着し、小ぶりなマッドガードや黒のフェンダーアーチで雰囲気を高める。
そして、もうひとつのポイントは室内だ。
後席も遊び心満載!
後席を折りたたむとラゲッジの奥行きは180cmにも達し、大人ふたりが車中泊するには十分なスペースを確保。マットをめくるとフラットな寝床を作る木製のパネルが出現するが、コレは社外品ではなくディーラーで注文できる純正オプション品とのこと。
後席とラゲッジをベッドとして使うので、荷物はルーフに装着した「スーリー」製のキャリアに積載。MTGではコンプリートカーとして販売せず、ユーザーと対話しつつ必要とされるパーツを提案し、愛車をカスタムする手伝いをしていくという。
ミニバンとしては異色なリフトアップ仕様の『MTG SUVシエンタ』。サイズも手頃だし、フツーなミニバンでは物足りないという人は注目の1台と言えよう。