1.5リッター直4ターボエンジン追加
ホンダは1月31日、クロスオーバーSUVのヴェゼルに1.5リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載する「TOURING・Honda SENSING」を追加設定。ボディ剛性を強化して、専用ダンパーやアジャイルハンドリングアシストを初採用するなど、走りのトップモデルに仕立て上げられてのデビューとなる。
ヴェゼルは2013年12月にデビュー。「SUVの力強さ、クーペのあでやかさ、ミニバン並みの使い勝手という、ジャンルの枠を超えた価値を高次元で融合したクルマ」だとホンダが自負するように、現在のクロスオーバーカーブームの先駆けとなった人気モデルだ。2018年12月までの5年間の販売累計が36.7万台というヒット作になった。
しかしながら、現在このクラスのベストバイは2016年12月に登場したトヨタのC-HR。今回のターボモデルは、これに一矢報いるべく投入された刺客といえる。
従来のヴェゼルは1.5リッターのi-VTECエンジンとそれにモーターをプラスしたハイブリッドモデルの2本立てで、非力ということはなかった。
だが、1.2リッターターボと1.8リッターエンジン+モーターというC-HRのパワーユニットの元気ぶりと比較されると、少し厳しかったのは否めない。
そこで今回、ヴェゼルに初搭載されたのが、吸排気デュアルVTCを備えた直噴1.5リットルVTECターボエンジン。ジェイドやステップワゴンなど、ホンダの3列シート車の走りを支えていた力持ちのユニットだ。
最高出力127kw(172ps)/5500rpm、最大トルク220N・m(22.4kgf・m)/1700~5500rpmというスペックは、ライバルC-HRのターボ車の85kWと185 N・mというパワーとトルクのピーク値を大幅に上回っている。それでいて、JC08モードで17.6km/ Lという優れた燃費性能も実現。これはC-HRのターボ車(2WD車)の16.4km/ Lに対しても、明らかにアドバンテージとなる。
従来タイプよりボディ剛性を向上させたほか、専用仕様のパフォーマンスダンパーとアジャイルハンドリングアシストをヴェゼルには初めて採用している。
このダンパーはざらついた路面など振動の幅が小さい時は柔軟に吸収し、コーナリングなど大きな動きの際には安定した姿勢をキープ。すなわちシーンに合わせて特性が変化する振幅感応タイプで、乗り心地と操縦安定性を両立させる優れモノだ。
一方で、カーブでの車速や操舵量から車両の動きを予測して、4輪のブレーキを独立制御。車両の挙動をコントロールして、正確に曲がれる気持ち良さと安定した走りをもたらすのが、アジャイルハンドリングアシストだ。
内外装にも抜かりはない。まずボデイカラーには新色のプレミアムクリスタルブルー・メタリックとスーパープラチナムグレー・メタリックほか計6色を設定。
フロントのグリル(クロームメッキ)やロアグリル、ブラック塗装のヘッドライトガーニッシュは専用アイテムを用意。左右2本出しのエキパイフィニッシャーがリアビューを引き締めている。
室内も、ウルトラスエードのダークグレーとブラウンのコンビシートをはじめとした専用インテリアを用意。運転席&助手席にはシートヒーターが標準装備されている。