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日産社員が「2代目サニー」レース仕様をフルレストア 3月より一般公開を開始

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

過去の名車・名マシンを1年掛けて再生

 2019年2月2日(土)、神奈川県厚木市にある日産テクニカルセンターで日産名車再生クラブはダットサン『サニー1200 クーペGX-5 特殊ツーリング(TS)カー仕様』のレストア作業が完了したことを宣言する「再生完了宣言式」が行われた。

 日産名車再生クラブとは、日産テクニカルセンター内の開発部門従業員を中心に2006年から活動がスタートしたサークル(現在はクラブとして活動)。日産の財産として取り置かれている、国内外で活躍したかつてのレース車両をレストアして動態保存できるようにしている。
 このような活動は、車両への理解、当時の技術者たちのクルマ造りと技術的な工夫、考え方を学ぶ場となっているわけだ。ちなみに活動は、勤務時間外(主に休日)で、クラブ員数は平均80名という。

 これまでには、240RSモンテカルロラリー仕様車(1983年式)やル・マン24時間レース出場車 NISMO GT-R LM (1995年)といった13台の名車たちを復活再生してきた。また、レストアを終了した車両のお披露目は、静岡県・富士スピードウェイで開催の「ニスモフェスティバル」で行なっている。

 2018年度の活動は1972年の東京モーターショーで展示された「ダットサンサニー1200 クーペGX-5 特殊ツーリング(TS)カー仕様」であった。
 2代目サニー(B110型)は、特に1972年に追加設定された2ドアクーペ1200GX-5をベースに、130馬力までチューンニングしたA12型エンジンを搭載し、モータースポーツシーンで活躍。
 富士スピードウェイを舞台とした「TSレース」カテゴリーのレースでは、1971年から74年、77年、79年、80年、82年とシリーズチャンピオンに輝いた。また、この時期は自動車メーカーのワークス活動が終了した時期と重なっており、チューナーにレースマシンの製作が委ねられていた。それが、今の日本のレースシーンを作り上げたという重要な時期でもあったという。

 

 2018年度の活動で再生車両として用意されたB110型サニーは、1972年の東京モーターショーで参考出品された個体で、実際にレースシーンで使われた車両ではない。しかしレースのための開発車両だったようで、きれいに保存はされていたものの、状態はそれほど良いともいえなかった。
 LSDは一部部品が破損していたため、図面をもとに製作したり、と一部ハードな作業もあったようだが、5月末にキックオフ式を開催から約6か月の製作期間を経て、無事に作業は終了。11月にはシェイクダウン。そして昨年12月開催のニスモフェスティバルでは、和田孝夫さんのドライブでサーキットサファリ、そしてヒストリックカーレース先導車として、その走行シーンを来場者にお披露目した。

 そして2月2日のこの日、再生完了を宣言して、日産名車再生クラブの2018年度の活動は終了となった。このB110型サニーは、2月いっぱいまで厚木テクニカルセンターで展示されたのち、3月からは神奈川県座間市の「日産ヘリテージコレクション」に移され展示される。
「日産ヘリテージコレクション」は、公開日が決められていたり、事前に予約が必要であったり、限定的ではあるものの一般公開がされている。ぜひ一度見学してみてはいかがだろうか?

 また、2019年度も新たなレーシングカーの再生が行われる予定。もう残っているのは強敵ぞろいだというが、また、ニスモフェスティバルで元気に走るヒストリック・レーシングカーの雄姿を見られることを期待したい。

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