少しの工夫でクルマを美しく長持ちさせることも
自動車の寿命は平均で考えると10年/10万キロ(1年1万キロ)と言われている。少しでも愛車を長く乗ることはエコにもつながるし、クルマはもちろん財布の負担も減る。そこで今回は長くクルマに乗るための工夫を5つ紹介しよう。
急ブレーキ・急発進はブッシュ類を傷める
安全運転やエコドライブの視点からも、急発進や急ブレーキといった「急」のつく操作はNGだが、クルマの寿命を考えてもそうした運転は避けたいところ。たとえば急加速ではエンジンが大きく揺れてしまうためエンジンマウントといったゴム製ブッシュの負担が大きくなる。同様に、急発進・急ブレーキではサスペンションを支えるブッシュ類への負担も増し気味。ブッシュ類は経年劣化により、いつかは交換が必要な消耗品だが、そのライフをわざわざ短くするような運転は避けたいところだ。
ステアリングを目一杯切った状態はNG
ステアリングを切ったまま駐車するのもブッシュ類をねじった状態で固定してしまうNG行為。駐車する際にステアリングをフルロックまで切って前進後退するのもクルマのライフを考えると避けたい。
とくにFF(前輪駆動)のクルマではフルロックでタイヤを動かすとドライブシャフトブーツやベアリングなどに負担がかかる。通常は行わないだろうが、モータースポーツではフルロックでアクセルを全開にするような走りをすることもあるが、場合によってはドライブシャフト自体がねじ切れてしまうこともあるほど負担がかかっている。
駐車時にはフロントを南向きに停めない
ヘッドライトやインパネなどが紫外線で変色したり変形してしまったりすることは知られている。ガレージなど日陰になる保管場所を確保するのが理想だが、月極駐車場では青空駐車となってしまうことも多いだろう。たまにしか動かさないのであればボディカバーという手もあるが、通勤などで使うクルマにカバーをかけるというのも手間がかかる。 そこで、ちょっとした工夫としてできるのが紫外線で傷みやすいフロント回りを守るように日差しの強くない北側に向けるようにして止めるということだったりする。紫外線は強いため気休め程度かもしれないが……。季節にかかわらずサンシェードを利用するのも、インテリアを経年劣化から守ることにつながるだろう。また、ヘッドライト部分にカバーを掛けておけば少なからずライトの黄ばみといった劣化を抑えることが可能だ。
洗車のやりすぎは塗装面を傷めてしまう
クルマを大事にするというと、つねにピカピカの状態を維持しているといったイメージを持つかもしれないが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということわざがあるように、洗車のしすぎというもボディにはマイナスだ。どんなに丁寧にやさしく洗ったつもりでも、塗装表面をわずかに削ってしまうこともあり、誤った洗車という行為そのものがボディに負担をかけるという認識は持っておきたい。
洗車のプロになると水滴をエアによって吹き飛ばしていることが多いのは、ウエスのふき取りによる洗車キズの付着を防ぐため工夫だ。もっとも、鳥の糞や雨だれ跡などを放置しておくと、そこから塗装面が傷んでいくため洗わないほうがボディに優しいわけではない。”洗いすぎ”に注意したい、という話だ。
飲食しながらの運転はマイナスばかり
忙しいと、ついつい運転しながら食事を摂らざる得ないこともあるだろう。
しかし、食事をすると、どうしても細かい食べこぼしがあったり、ときにはポロリと落としてしまったりすることもある。そうするとシートにしみができるなど室内は汚れてしまうし、そのまま放置しておくと”臭い”の元となってしまう。 さらに、運転しながらの食事というのは注意散漫になるので安全面からもおすすめできるものではない。昔から「急がば回れ」というように、車内で食事を摂るにしても、なんとか駐車して食べる時間を確保したいものだ。