アルミホイルから専用ポーチまで徹底比較
クルマのドアノブに手を触れるだけで施錠解錠が可能なスマートキーが発する微弱電波を傍受する「リレーアタック」という車両盗難事件が多発。テレビのニュースなどでも放映されるなど、最新の車両盗難事件として有名だ。
そこでリレーアタックから愛車を守る、噂のリレーアタック防止グッズ4種類を実際に試してみた。
スマートキーは、電波で車両と交信することで、ドアをロックしたり解錠するだけでなく、盗難防止装置(イモビライザー)を解除してエンジンを始動することができる便利なシステムだ。電波には暗号などが含まれ、スマートキーとクルマで電波が一致しないと稼働しないような仕組みになっている。
スマートキーが発する電波を遮断しなければリレーアタックの被害に遭う可能性がある
ところが、スマートキーが発する微弱な電波は常に放出(一部の車種では任意でカットすることも可能)している。
「リレーアタック」という車両盗難は、この電波を特殊な機械で傍受して、増幅させてクルマのそばにいるに飛ばして、ドアロックの解錠からエンジン始動までを行うわけだ。
従来は駐車場などでターゲットとなるクルマを待ち構え、オーナーがクルマから降りてきたところに窃盗団が近づいて電波を傍受。ターゲットとなった電波をクルマのそばにいる仲間のところに送り、クルマを盗んでいた。
ところが、最近はスマートキーが発する電波を傍受する機械が高性能化。家の中にスマートキーを置いていても、車両盗難に遇ってしまうそうだ。
つまり、スマートキーが発する電波を遮断しなければ、リレーアタックの被害に遭う可能性があるというわけだ。
そこで、電波遮断グッズを4種類(リレーアタック防止ポーチ・アルミホイル・ブリキ缶・携帯灰皿)用意。運転席から垂直に離れたところにスマートキーを乗せた三脚を設置し、ドアロックの施錠解錠ができる距離を計測した。
電波遮断グッズなし
まずは、遮断グッズに入れない状態では、多少のバラ付きはあるが微弱電波という割りには、意外に離れていてもドアロックの施錠解錠ができた。クルマまでの距離は136cm。
ブリキ缶
タバコが入っていたフタ付き。これだけで何も覆っていない状態のスマートキーより46cm短縮。
携帯灰皿
100円均一ショップで購入した携帯灰皿。ポイントは、タバコの火で燃えないようにアルミ箔が袋状になっていて、フタの裏側もアルミ箔が付いている。
開閉はホック式で密閉精度は高くないが、かなり近づいても反応しない。クルマまでの距離は20cm。
アルミホイル
家庭で使用する100均で購入したごくごく一般的なアルミホイル。ニュース報道でもあったが、アルミは電波を通さないシールド効果を持っている。アルミホイルに包んだものを電子レンジに入れても温まらないのは、マイクロ波(電波)を通さないからだ。
スマートキーをしっかりと覆えば、どんなに接近してもドアロックは反応しなかった。クルマまでの距離は0cm。ただ、軽く挟むような感じスマートキーを覆った状態では、電波が漏れるようで反応状況は一定ではないが施錠解錠はできるときがある。
リレーアタック防止ポーチ
携帯電話用の電波遮断ポーチなども有効のようだが、今回はリレーアタック対策として開発された市販のリレーアタック防止ポーチでテスト。
家の中でのスマートキーの保管にも要注意
今回は実証実験だが、スマートキーの高さやクルマとの位置関係で、その距離は微妙に変化した。しかし、アルミの電波遮断力は間違いないだろう。
安価に済ませるならアルミホイルでもいいだろうが、何度も使えば切れ目が入り電波が漏れる。やはり専用ポーチが結果的に利便性と防犯性は高いことは間違いない。
やはり専用の電波遮断ポーチ、またはアルミのケース(アルミホイルで自作しても良いかもしれない)に入れるなどの自衛手段を講じるべきだろう。