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トヨタ2000GTという超希少車が社員教育の題材に!? その確固たる理由とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

古きを知って新しきを知るを学ぶ!
大阪トヨペットが再生の一歩を踏み出す

 SUPER GTといったモータースポーツ活動にも力を入れる「大阪トヨペット」が、エンジニアを育成するために導入した教材は、名車中の名車であるトヨタ2000GTだ。
その目的はクルマの基本を改めて学び、最終的には顧客へとフィードバックするため。『プロジェクトR』と名付けられたプログラムの全貌を紹介したい。

 2月9日(土)から2月11日(月)にインテックス大阪で開催中の「大阪オートメッセ2019」。大阪トヨペットのブースでは多数の現行モデルに混ざって、1967~1970年に生産されたトヨタ2000GTが展示されている。しかもエンジンやミッションは降ろされ、ウインドウなど外されているパーツも多い。そして背後には『プロジェクトR』の文字が目に入ってくる。コレはいったいどんな試みで、何を目的としているのだろう? 広報を担当する加藤さんに話を聞いてみた。

 前述のように大阪トヨペットはSUPER GTにも参戦し、モータースポーツに力を入れている企業。そこには最先端のテクノロジーが集約されており、エンジニアの技術を磨く場としては非常に有用だ。しかし温故知新という格言があるように、古いことから新しい知識や見解が得られるケースも多い。エンジニアやメカニックとしての原点に立ち返り、クルマを基礎の基礎から改めて勉強することで、優れた人材を育てていこうという思いが発端だった。

 学ぶためのハードルは高ければ高いほどよく、教材の条件はある程度バラバラになっていること、さらに純正パーツが入手しにくいこと。そこで”2000GT”というワケだ。プロジェクトが開始されたのは2月に入ってからで、大阪オートメッセが終わったら大阪トヨペットのトレーニングセンターに移動。各店舗のエンジニアたちが分担して作業に当たるという。

 選抜された一部の人だけが触るのではなく、全員が携わることで技術と経験のトータルでの底上げを狙い、かつ社員どうしの絆も強くしたいと加藤さんは話す。完成させることが最大の目標ではなく、そこに至るまでの過程こそが重要なのだ。「今回は見つかったときの状態そのままなんです。まずはパーツリストを探すところからスタートし、続いて足りない部品をピックアップ。デッドストックを探すなりしてイチから製作することを考えてます。動く状態になるまでは少なくとも5年はかかるんじゃないでしょうか」とのこと。

 ちなみに『プロジェクトR』は、この2000GTだけで終わるワケじゃない。新たに車両を増やすかもしれないし、異なるテーマで社員教育を行なう可能性だってある。要はクルマを介して優秀な人材を育成し、自動車産業に貢献することが最終的な目標なのだ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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