Neo Classicをサーキット仕様へ作り替えた
2月9日からインテックス大阪で開催されている第23回 大阪オートメッセ2019では、交通タイムス社が発行するCARトップ誌のブースでは「Modulo Neo Classic Racer」が展示されていた。このクルマは2018年9月に販売したホンダS660用ボディキット「S660 Neo Classicキット」装着車をベースにしたコンセプトモデルである。
当初、S660 Neo Classicを旧車レーシングカー風に作り替えたデザイン画が作られていた。しかし、ここで社内において「走りをテーマにしたクルマ」と言うことから、ホンダアクセスの走り系ブランドである「Modulo」の一員に組み込むかどうかが検討されたという。
この話し合いのなかでModulo開発チームから協力を得られることになったので、まずは初案のデザイン画を見てもらうことからはじめたそうだ。ここでチェックされたのは空力的に問題になるポイントで、指摘を受けたModulo Neo Classic Racerのデザイナーは、そのアドバイスを基にデザイン画を描き上げていく。そしてOKが出た後にテスト用のパーツが製作。今度はそのパーツを実車に組み付けてサーキット走行テストをいったそうだ。
フロントスポイラーと空力を向上させるためのハードトップを追加したことに合わせ、リアにも大きめのスポイラーが必要になった。だが、デザインのバランスをから見ると必要なサイズのリアスポイラーをボディ後端に付けるとどうも不自然になる。
そこでModulo Neo Classic Racerではリアのブリスターフェンダーの後方を延長することでボディ全長を伸ばすアイデアを取り入れた。こうして前後の空力バランスが整えられたのだ。
細かい部分のデザインにも工夫がたくさん盛り込まれている。順に紹介するとまずフロント。左右のライトをつなぐように黒いカバーが追加されているが、これは旧車レーシングカーにあったヘッドライト飛散防止用テープをイメージしたもの。そしてリップスポイラーの両端につけてあるメッキ加飾は旧車のスチールバンパーをイメージしたものだ。さらにボンネット固定用に革のベルトを使用する。
ミラーはもちろんレトロなフェンダーミラーで、これは市販品を使用。装着位置はルックスを重視してドライビングシートから確認できるなかで目一杯後ろに下げている。
また、Modulo Neo Classic Racerにはハードトップが装着されているが、これもよく見るとルーフの頂点が少し後ろにずらした形状になっている。これも空力効果を狙ったデザインということだ。
コーナリング限界を高めることを目的に前後のトレッドをワイド化。それに伴い前後フェンダーはフロントがオーバーフェンダーでリアがブリスターフェンダーとしているが、全体との一体感も出すためベース車のドアにあるラインにあわせた造形も盛り込んでいる。
なお、ドアに入っているゼッケン「89」だが、これはホンダアクセスの社内略称である「HAC(ハック)」から来ているもの。
ハードトップからリアスポイラーまでのエンジンフードもRacer用に作り直されている。前側にエアインテーク、後方に廃熱用のスリット眼設けられている。なお、フードはうっすらとエンジンが透けて見えるスモーククリアでよく見ると「H」マークの形になっている。
そしてリアは延長されたブリスターフェンダーによって全長が伸びているがテールパネルの位置は変えていないので特徴的なルックスになっている。
そこに高い位置から出されるマフラーのテールやエンジンやミッションが見えるグリルを組み込まれていて、ミッドシップマシンらしさを強調。ちなみにテールランプ類はS660 Neo ClassicのものなのでS660 Neo Classicらしさもしっかりと残している。