無限の活動内容やブランドイメージをアピール
NSXやシビックタイプRの復活によってホンダのスポーツモデルが活気づいてきている。大阪オートメッセ2019の「無限(M-TEC)」のブースには、無限RC20GTパッケージ・プレプロダクションモデルを展示。ドライカーボン製のエアロパーツ、オールチタン製のEXシステム、プロ仕様のサスペンションシステムなど、市販予定のチューニングパーツが披露されている。
そしてもうひとつ、来場者の注目を集めているのが、ブース脇にそびえ立つオブジェ『神眼(SHIN_GAN)』。無限といえば、ホンダ車をベースに国内外のモータースポーツシーンで輝かしい実績を残してきたコンストラクターだ。さまざまなカテゴリーに参戦するマシンを手がけてきたワケだが、神眼に使用されているのは、それらのマシンに使用されていたパーツの一部。では、製作した経緯や各部の構成はどうなっているんだろう。M-TEC商品事業部・プロジェクト企画課の泉氏に話を伺った。
「無限(M-TEC)は、過酷なモータースポーツのみならず、数々のホンダ車用パーツを展開しています。そんな弊社の活動をもっと幅広い人に知ってもらうにはどうすればいいのか。人々に与えるインパクトを考えた結果、レースカーやレーシングバイクに使用するパーツを組み合わせたロボットを製作することにしたのです。普段はレーシングカーの製作に携わるメカニックが図面を引いて、強度計算をした上で製作。作業は急ピッチで進み、2019年1月に完成させました」と泉氏。
全長は約3メートルとなり、”顔”はマン島TTレースに参戦した電動バイク「神電」のフロントカウルを使用。”胸”はチーム無限がチャンピオンを獲得したスーパーフォーミュラ「SF13」のノーズ部分、”左手”に持っているのはSUPER GTのGT500クラスに参戦したNSXのエキゾースト部品、”肩”や”腰”に配置したホイールはスーパーフォーミュラ用など、名勝負を演じてきたマシンのパーツが使われている。また、巨体を支える”ふくらはぎ”には、市販の車高調整サスペンションキットを使用。まさに縁の下の力持ちというべきか、チューニングパーツメーカーとしての活動も密かにPRされているのだ。
「モータースポーツに詳しい方なら、見ただけでどこにどんなパーツが使われているのかすぐに分かると思います。名前の由来は、神電の”神”と弊社のシンボルであるアイコマンダーを連想した”眼”を組み合わせもの。顔を構成する神電のカウルには、実際にマン島レースで使用したカメラを搭載し、来場者の姿をモニターに映し出す工夫もしていますよ」。
大阪オートメッセ2019で披露された「神眼」は、神出鬼没だそう。もし見かける機会があったならば、構成パーツをジックリと観察してみてはいかがだろう。細かい部分にも”名マシンのパーツ”が隠れているかもしれない。