ドレスアップ効果もあるトレッドデザイン採用
アメリカを中心に大型SUVが人気。単純にボディサイズが大きいだけでなく、エンジンの排気量も大きくスポーツカーも真っ青なパワーを発揮するモデルもある。トーヨータイヤは、大阪オートメッセ2019に、そのようなヘビー級&ハイパワーSUVに対応する2モデルのタイヤを参考出品した。いずれも、カスタマイズ派にも満足してもらえるようなデザイン性にも優れたトレッドパターンを採用している。
トーヨータイヤが展示したのは、オフロードタイプの『オープンカントリーR/T』とオンロードタイプの『プロクセスST III』の2モデル。いずれもハイパワーでヘビー級SUVをターゲットにしたタイヤだ。
『オープンカントリーR/T』は、泥濘地や砂漠など本格的なオフロード向けタイヤ”M/T(マッドテレーン)”と舗装路の快適性を重視した”A/T(オールテレーン)の中間を狙ったモデルだ。ちなみにR/Tとはラギットテレーンの略となる。
ブースに展示されていたトヨタ・ハイラックスは、本格オフロードタイプのツインチューブ(ショックアブソーバーが2本)のサスペンションを装着し、ロアアームの変更などによってワイドトレッド化。35×12.50R17サイズの『オープンカントリーR/T』を収めるために、ど迫力のパンデムのオーバーフェンダーを装着している。
アメリカでは、このデモカーのような砂漠をガンガン走れそうな仕様にするカスタマイズの人気は高いのだが、実際にそんな悪路を本格的に走る人は一部のマニア。実際には、ハイウェイなど舗装路を走行するユーザーのほうが多いそうだ。
本来、舗装路ならオールテレーン系のA/Tが最適なのだが、オフロードタイプにカスタマイズしたらタイヤも大きなブロックのトレッドデザインを採用するマッド系のM/Tでないと似合わない。ところが、M/T系タイヤは、走行中のロードノイズが大きく舗装路ではかなり厳しい。
そのようなユーザーのために開発されたのがオープンカントリーR/Tだ。ドレスアップ効果も望める、ちょっと厳ついトレッドパターンを採用するが、ロードノイズは抑えられるような設計が施されている。
すでにスズキ・ジムニーや日産エクストレイルといったオフロード色の強いSUV向けの一部のサイズが国内販売されている。だが、メインサイズはアメリカなどで人気の高い大型SUVが装着する大径タイヤだ。
トーヨータイヤ商品企画部の西村さんによると、今のところ日本国内で大型SUV向けサイズの販売の予定がないが、市場からの要望が高まればラインアップに加わる可能性があるそうだ。
715馬力のビッグパワーにも対応
そしてもう一つのSUV用タイヤは、同社のスポーツタイヤブランド『プロクセス』シリーズの『プロクセスST III』だ。日本には未導入モデルで、そのサイズラインアップは17〜24インチと驚愕の設定。このタイヤを装着してJEEPグランドチェロキー トラックホークには、295/35R22サイズが付いていた。ちなみに、デモカーのエンジンはスーパーチャージャー付6.1リッターV8で、最高出力は715馬力というモンスターSUVなのである。
この『プロクセスST III』と日本向けのSUVタイヤ『プロクセス スポーツSUV』で大きく異なるのがトレッドデザイン。回転方向性を持つ斜めのサイプを採用。排水性が良さそうなだけでなく、ドレスアップ性の高いパターンとなっている。
もちろん、前述したようなスポーツカー顔負けのパワーを受け止め、ヘビー級の車重にも耐えられる性能を持っている。こちらも日本市場への導入は未定だが、国内での販売を期待したい一本である。