作業性の向上や作業者の負担を軽減
カーグッズや自動車パーツの世界にはいろいろなアイテムがあって、こういう部分を見るとクルマ文化の裾野の広さを改めて感じる。そのカーグッズ界で知られる存在のひとつに「SEV」がある。このアイテムは解説が難しい面もあるが、同社のホームページにはシンプルに「SEVは本来のパフォーマンスを引き出す技術です」とある。クルマを対象にした事柄に置き換えると、ターボ車のブーストアップのような効率のプラスアルファではないということ。公式に明言していないが、前記のキャッチコピーから考えると「整え的な効果」と言ったところだろうか。
そうなると付けるもの(機械、人体など)の状態や、元の善し悪しによって効果に差が出ることになるが、実際に評判もそのような分かれ方をしている。ここが明確に性能を追加するようなパーツとの大きな違いなのかもしれない。
そんなSEVは、インテックス大阪で開催された「大阪オートメッセ2019」にブースを出展。健康やスポーツ用、クルマ用が並べられていたが、そのなかで新しい取り組みとしてデモを行なっていたのが「ラクラク自動車整備システム」というもの。
このシステムはSEVの製造元である「ダブリュ・エフ・エヌ」と「NATS日本自動車大学校」との産学連携のプロジェクト。個人向けではなく、企業へ向けた商材となる。
「ラクラク自動車整備システム」という名前から想像すると、作業機械か工具のように思えるが内容はSEVの効果で作業性向上、作業者の負担軽減、それに作業時の安全性を向上させるものとなっているそうだ。
システムの内容を紹介すると、まず「POWER Board System」というプレート状のSEVを作業場照明の分電盤に装着。照明へ流れる電気にSEVを載せることで、電灯自体から空間へとSEVの効果が広まるというものだ。そして「SEV Sブロック」は、作業場の四隅に配置。さらに空調配管に「SEV設備用エアコンアップ」というアイテムを付ける。加えて作業者には「健康、スポーツ用の製品」からSEVルーパー、SEVポケットフレンド、SEVソールFitの3アイテムを身に付けるという仕様だ。
じつは「ラクラク自動車整備システム」は、すでにオートバックスのレカロ専門店「ASM」に導入。シート交換など、重いものを無理な体勢で持つことが多い環境下で、作業者の負担軽減を確認しているという。また、NATSではOTRSという作業分析/業務適正化ソフトウェア(映像解析)を使って、導入前後の評価実験を行なった結果、作業スピードと正確性に明確な差が出たという。
ラクラク自動車整備システムは、2019年3月13日~15日に東京ビッグサイトで開催される「国際AUTOアフターマーケット」のSEVブースでも公開される。ブースには照明のボディに「POWER Board System」を付けた状態と外した状態の灯り、それぞれの照明で照らされたタイヤ&ホイールを持ち比べて重さの感じ方の違いを体験できるコーナーもあるので、興味のある方は試していただきたい。