中古も視野に入る車種も存在する
スポーツドライビングといえばリア駆動でキマリ! という自動車ファンは少なくない。最近ではWRCの影響もあって4WDを好むユーザーも増えており、全輪で駆動力を伝える4WDはハイパワーが当たり前の時代には速さに直結するという風に感じる。また、操舵と駆動のタイヤを前後で分けているリア駆動にはクルマを操る楽しさや独特のナチュラルさがある。
しかし、FF(前輪駆動)も負けていない。タイヤやシャシー設計が進化したこともあって、いまやサーキットに持ち込んでも我慢を強いられるということもなく、軽快な走りが楽しめる。というわけで、いま狙うべきFFスポーツ5台をチョイス。それぞれの特徴を見ていこう。
スズキ・スイフトスポーツ(ZC33S)
いま新車で買える国産FFスポーツの雄といえば、「スズキ・スイフトスポーツ」。これまでのスイスポ(スイフトスポーツの愛称)もFFのホットハッチとして軽量さとハンドリングのバランスに優れていたが、1.4リッターターボとなった現行型は、絶対的な速さも手に入れている。
それでいてメーカー希望小売価格は183万6000円~という手頃なプライス。FFスポーツを楽しみたいのなら、現行スイスポを選ばない手はないだろう。
ホンダ・シビックTYPE R(FK8)
2017年4月、全長約25kmのニュルブルクリンク北コースにおいて7分43秒80という「FF世界最速レコード」を記録したのが、ホンダ・シビックTYPE R。ホンダの誇りをかけた最新FFスポーツは、標準車からワイドにされたボディに、最高出力320馬力の2リッター・4気筒ガソリン直噴ターボを搭載する。
ダイハツ・コペン(LA400K)
軽自動車のホットモデル、FFスポーツといえば「スズキ・アルトワークス」を思い浮かべる人も多いだろうが、実際にドライブしてみると、もっともスポーティに感じるのはダイハツ・コペンだった。3気筒ターボは少々非力だが、前後重量バランス、重心の低さなどは軽自動車のレベルを超えている。
メーカー希望小売価格はMT車で187万3800円~、クーペのMT車は250万5600円~となっている。
ホンダ・シビックTYPE R(FD2)
中古車に目を向けると、数多くのFFスポーツが市場を賑わしている。その代表格といえるのがホンダのシビックやインテグラの”タイプR”軍団だろう。型式でいうと、DC2/DB8、EK9、DC5、EP3、FN2……と様々あるが、パフォーマンスと価格のバランスでいうと、2007年から販売された国内仕様のシビックTYPE R、型式でいうとFD2がベストチョイスと考える。
サーキットベストを愚直に追求したFD2 TYPE Rのボディはしっかりとしたもので、また高回転で吠えるVTECエンジン「K20A」の能力は現代の基準でもなかなかのレベルにある。なにより、まだプレミア状態とはいえず、着実に年式なりに価格を落としているので買いやすい1台と言えるだろう。距離を重ねた個体であれば150万円以下で手に入れることができる。
ミニ・クーパー(R56)
新車では高価な輸入車も中古になれば手頃な価格帯となってくる。ホットハッチの本場といえる欧州車には様々なFFスポーツがラインナップしているが、タマ数が豊富で、価格もこなれているのは2代目のBMWミニ・クーパーだろう。型式でいえば「R56」で、年式でいうと2007年~2014年だ。