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レーシング・フェラーリF40が約6億円で落札! 最新スーパーカーも出品されたRMオークション

ヒストリーのあるクルマが上位に

 RMサザビーズは、2月6日にフランス・パリで開催したクラシックカーイベント「レトロモビル」と並行してRMオークションをおこなった。今回の「パリ・オークション」には、85台のクルマが出品。その中でも高額落札車されたクルマを5台紹介しよう。

1987年式フェラーリF40 LM

落札価格:6億444万3416円

 フェラーリ創立40周年を記念し、1987年に登場したF40。市販車とは思えないスタイリングは今でも多くの人を魅了する1台だ。今回出品されたモデルは、1995年および1996年にル・マン24時間に出場していたマシンそのもので、当時をよく知る人なら自動車雑誌で1度は見たことがあるだろう。

 レースに出場するためにミケロッティによって開発されたF40 LMは、エンジンパーツ(ターボチャージャーやインタークーラーユニット)を拡大し、最高出力を市販モデルよりも222馬力も向上した700馬力を発揮した。窓やリトラクタブルヘッドライトを固定式にするなど、軽量化に努めた結果1050kgを達成した。

 実はこちらのF40LMは、19台製作された中でもさらにレアなプロトタイプモデルをベースに製作されている、非常に価値のある1台。レース経歴としては1995年のAndestorp4時間で優勝、BRP Global GTシリーズで複数回の入賞をしている。

 歴史あるフェラーリF40 LMを落札することができた幸運なオーナーの手によってサーキットを走る日を待ちわびたい。

1956年式ポルシェ550RS

落札価格:3億7976万6462円

 ポルシェのレースヒストリーを話す上で欠かせない存在が、99台しか生産されていないポルシェ550RSだ。1.5リッター水平対向4気筒エンジンからは110馬力を発揮し、車両重量は550kgと極めて軽い。リザルトなどは割愛をさせていただくが、1957年のル・マン24時間耐久レースを含む、幅広いレースで成績を残している超が付くほどヒストリーのあるモデルだ。

 だが、出展された個体は1970年以降、しばらくの間、保管されたままで陽の目を浴びることがなかった。そこから何人かのオーナーの手に渡り、2000年にドイツ人オーナーが購入。約10万ユーロ(約1250万円)の費用をかけ、エンジン・ミッション・ボディなどフルレストアが行われた。2001年にはイタリアの公道レース「ミッレミリア」に出場という経歴を持つ。多くのヒストリーを持ち、現代でも当時のレース時代のようなパフォーマンスを発揮する550RSを購入できたオーナーは、幸運としか言えない。

1966年式フェラーリ275GTB/6Cアロイ ベルリネッタ

落札価格:3億5698万6715円

 黒いボディにベージュの内装が美しい275GTBは、1973年にアメリカ・ロサンゼルスに渡った際に、赤に全塗装がされていた。7年という月日をオーナーと過ごし、1980年にイタリアに里帰りをした後は、約40年間自動車コレクションに保管され、現在の所有者に受け継がれたという経緯を持つ。

 現在の所有者が購入した後は、イギリスへ持ち込まれ、フェラーリ・クラシックの認定を取得。赤いボディカラーは剥がされ、元色である黒に戻している。タイヤはMichelin XWXタイヤが装着されるなど、フルレストアはサリー州エッシャーにあるフェラーリのスペシャリストで行われている。

 さらに、275 GTBツールキット、ジャック、ハンドブック、および履歴ファイルが添付されている。これには、以前のアメリカでの修復、およびイギリスでの最新の修復作業の写真も含まれている。これからを楽しむにはぴったりの1台。コンクールイベントなどに出展しても注目を集める1台となるだろう。

2018年式ブガッティ・シロン

落札価格:2億5137万6125円

 新車価格が3億円とも言われたブガッティ・シロンが出品された。エンジンはW型16気筒エンジンを搭載し1500馬力を発揮。最高速度は420km/hに到達する実力を持ち合わせているシロンは、走行距離が1800km。2018年の同オークションにて、513kmしか走っていない個体が4億4132万6736円で落札された記録が残っている。

 出品されたモデルは2018年10月に年次サービスを受け、オイルとブレーキフルードなどの交換を行った以来、数kmしか動かしていないという。ここ数年で、スーパースポーツモデルもハイブリッド化されるなど、W型16気筒エンジンを搭載したスーパーマシンは今後も高く評価されていくことだろう。

1994年式ブガッティEB110スーパースポーツ

落札価格:2億5338万5675円

 ブガッティ設立110周年を記念して1991年に登場したブガッティEB110は、3.5リッターV型12気筒エンジンをミッドにマウントしたスーパースポーツモデル。生産台数は139台と極めて少ない。ブガッティでは、さらなる性能向上を目指して1992年に登場したモデルが、今回出品されたEB110スーパースポーツ。

 排気システムの見直しやECUを換装したことで、60馬力もパワーアップした610馬力を発揮。これらのアップグレードのおかげで、EB110 SSは0-100km/hの加速が3.26秒、355km/hの最高速度を達成した。当時、多くのレースに参戦していた、マクラーレンF1に近い性能値をEB110スーパースポーツは誇ってた。

 出品されたモデルは、1994年に工場保証書に詳述されているようにドイツに納車された。その後、日本の地にも足を踏み入れており、2012年にはスイスに渡った。走行距離は、新車からわずか916 kmで、年間走行距離がわずか25マイル(40.2km)。ほとんど新車に近い状況で残っているというのだから驚きだ。また当時のカタログややロードテストのレポート、工具やアクセサリーなども全て付属している。まるでタイムスリップをしてきたような車両だ。

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