どうなる? 次期シビックの生産
ちなみに工場撤退を決めた直接の原因は、次期型シビックの生産と関係がある。現行シビックはアメリカを向いて開発したため、予想していたよりも販売は低迷。特にヨーロッパ市場では明確な不人気となった。だからといってシビック以外の車種を生産しようとすれば、部品メーカーを含め大がかりな投資をしなければならず赤字になる可能性も大となる。
そもそもホンダはヨーロッパ向けの車種開発を積極的に行なってこなかった。どの車種を取っても、タフなヨーロッパの道路で元気の良いヨーロッパの人が走らせるとひ弱に感じてしまう。このあたりはホンダも認識しており、市販車の丈夫さが要求されるラリー(特に非舗装ラリー)は耐久性不足が響くため出場していない。直近ではF1不振がマイナス宣伝になってしまったのも効いているだろう。
本来なら本田宗一郎さんの根幹に流れている「やらまいか気質」(故郷である浜松の気風。やってみようか!という意味)を前面に出し、もう一度欧州市場で勝負してみたらよかったのではないか。イギリスで生産してEUに輸出しても、日本から輸出するより有利なコスト戦略を練ればいいだけ。イギリスに砂掛けて出て行くのはとにかく上手くない。
どんな手厳しい意趣返しを喰らうのか全く予想出来ない。心配でならないのだ。