旧車という定義には主観的な部分が多い
クルマ好きのジャンルに「旧車」がある。国産車でいえば、ハコスカ(日産・スカイライン C10型)、トヨタ2000GTなどは生産から半世紀程度となっているので、立派な旧車だと分類されるだろうが、1990年代のモデルでも旧車と呼んで差し支えないのだろうか。そもそも旧車というのは文字通り「古いクルマ」という意味しかなく、どの程度古いかを規定しているものではない。
たとえば、第二世代GT-R元年となるBNR32型スカイラインGT-Rが誕生した1989年において、初代GT-Rは旧車として認識されていた。だが、初代GT-Rのデビューは1969年だから、当時でいえば20年落ちでしかなかった。
誕生から20年を経過したクルマを旧車といえるのであれば、国産ビンテージイヤーを呼ばれる1989年生まれの各モデル(前述のR32型スカイラインGT-R、マツダNA型ロードスター、日産Z32型フェアレディなど)は2009年の段階で旧車扱いとなっていたはず。
チューニング業界でいえばNA型ロードスターやR32型スカイラインGT-Rは、当時でもベース車両として人気だったし、いまでもサーキットなどを元気に走りまわっている。
旧車趣味という言葉から浮かぶ、ノーマル状態をキープするようレストアして、大事に保管しているというイメージとは違う、現役感あふれる使われ方で楽しまれているわけだ。スカイラインGT-RのC10系からR32型までの20年というのは技術の進歩も大きく、圧倒的なパフォーマンスの差があった。