北米輸出が加速する「25年ルール」
国外からの中古車の輸入が厳しく制限されているアメリカ。しかし販売から25年を経過した車両については多くの試験がパスできるということで、日本から北米へ90年代スポーツカーが相次いで輸出されているのはご存知だろう。2019年となった今年は1994年デビューの車種が解禁となるため、新たな国産スポーツカーにスポットライトが当たりそうだ。そこで、今回は高値が進んでいる90年代モデルをピックアップしたい。
日産 S14型シルビア
日本では1993年10月に登場した6代目となる日産 S14型シルビア。日本国内では3ナンバーサイズとなったことで先代モデルのS13型ほどのブレイクとはならず。後期型でアグレッシブな外観にリニューアルしたが、先代のヒットには及ばなかった。
一方の北米市場では、低中速トルク重視のKA24DE型エンジン搭載車のみラインアップ。日本でのSR20DET型ターボエンジンは垂涎のものであり、今後の需要が増えそうだ。
トヨタ ST205型セリカGT-FOUR
日本では世界ラリー選手権(WRC)で活躍した姿が記憶に鮮烈に残るトヨタ・セリカGT-FOUR。FFレイアウトのハッチバックをベースに、その名の通りフルタイム4WDとターボエンジンで武装した生粋のラリーウェポンである。
セリカ自体は北米市場でも販売されており、ハッチバックタイプのほか、独立したトランクを持つノッチバッククーペも設定されていた。日本ではノッチバッククーペをカレンとして販売し、セリカとは異なるフェイスを組み合わせていた。
その一方でハイパフォーマンス版となるGT-FOURは北米市場では正規販売されておらず、熱い視線が集まりそうだ。
マツダ FD3S型RX-7
日本のみならず、世界に多くのファンを持つロータリーエンジンを搭載するマツダ RX-7。実質的な後継車種だったRX-8は、NAのロータリーエンジンとなったことで、ターボエンジンを搭載する最後の車種ということもあり、未だに高い人気を誇っている。
日本では1991年から販売されていたFD3S型であるが、北米市場では1993年から1995年と短い間のみの販売にとどまっており、日本でいうところの前期型のみとなっている。そのため、96年以降の中期、後期型は近い将来多くのバイヤーから引き合いが出ることは確実視されており、価格が跳ね上がる前の今から動き出すバイヤーも少なくなさそうだ。
トヨタ A80型スープラ
日本でも新型スープラがベールを脱いだことで、さらに注目度がアップしていくであろう2002年まで生産されていたトヨタ・A80型スープラ。同車は北米市場でも販売されており、映画「ワイルドスピード」の1作目では主役級の扱いをされていたことは記憶にあたらしい。
北米市場では日本よりも早い1998年に販売を終了しており、良質な個体や日本でチューニングを受けた個体を中心に需要が高まりそうな気配。今後は程度の良い車両を狙うには日本国内だけでなく、海外のバイヤーたちもライバルとなりそうだ。