社会生活に貢献するクルマも数多し
ひと昔前まではクルマのカスタマイズと言えば、街のショップやカー用品店などで行なうというのが一般的だった。しかし、最近では自動車メーカー直系のカスタマイズブランドがノーマルとは一味違ったカスタマイズモデルを積極的に展開。メーカークオリティの仕上げや手厚い保証内容など、選択するユーザーが増えている。
そんなメーカー直系のカスタマイズブランドは、往年にはよく主流として見られたスポーツカーなどのカスタムだけをやっているわけではなく、救急車や道路パトロールカーなどの特装車も多く手掛けていることが多い。今回はそんなメーカー直系のカスタマイズメーカーをご紹介しよう。
トヨタカスタマイジング&ディベロップメント
あまり聞きなじみのない社名かもしれないが、昨年4月にトヨタテクノクラフト、ジェータックス、トヨタモデリスタインターナショナルの3社が統合。新会社として誕生したもので、「TRD」や「モデリスタ」というブランドの商品を扱う会社と言えばピンとくる人も多いのではないだろうか。
そんな同社では、過去にリリースされたコンフォートGT-Zや14R-60、現在もリリースされるワンメイクレース用の86 Racingなどのほか、SUPER GT参戦用のレーシングカーなども手掛けている。
一方で、高規格救急車であるハイメディックや、高速道路などで見かける道路巡回パトロールカーなどの働くクルマも手掛けているのである。
オーテックジャパン
こちらは日産自動車直系のメーカーである「オーテックジャパン」。最近ではスポーツコンバージョンモデルであるNISMOロードカーシリーズはもちろん、鮮やかなオーテックブルーをまとったプレミアムスポーツブランドであるAUTECHシリーズでも知られている。もちろん、従来からファンの多いライダーやボレロといったカスタムカーもオーテックが手掛けるモデルのひとつだ。
そしてオーテックが手掛けるもう一つの車種がライフケアビークル(LV)と呼ばれる福祉車両。クルマへの乗り降りを容易にする回転シート車や車いすに対応した車両など、ユーザーの要望に合わせて豊富なラインナップを持っている点が特筆すべきだろう。
もちろん、商用車やタクシー、教習車など働くクルマ系の多くもオーテックが手掛ける車種のひとつとなっている。
マツダE&T
エンジニアリング&テクノロジーの頭文字を取った「マツダE&T」はその名の通りマツダの関連企業だ。80年代後半には輸入車の改善なども行っており、当時のユーノス店やオートザム店で販売された輸入車(シトロエンやランチアなど)の販売に一役買っていた。
現在はモーターショーに展示されるショーカーの制作や、福祉車両や教習車、商用特装車などがメインとなっているが、過去にはボンゴフレンディのキャンピングカーや、2003年に販売された2代目ロードスターのターボモデルとクーペモデルの架装も手掛けている。
また現在、マツダが実施している初代ロードスターのレストアプロジェクトもマツダE&Tによって実施。そのクオリティの高さは、すでにラインオフしたレストア車両を見れば一目瞭然だろう。