車両価値を高める数々のトピックス
トヨタ2000GTが相変わらず人気だ。オークションで1億円を超えたとか、逆に天井に当たって価格下がり気味など、その価格はなにかと話題になるが、日本車のなかでもトップランクの希少車であるのは確かだ。実際の相場はというと、1億円超えはとくに希少な左ハンドル車だったり、某専門店が新品パーツを投入してレストアしたもので、一般的な内容であれば1億円は超えないことが多い。
だいたい5000万円から1億円の間といったところだ。日本の旧車バブルが叫ばれる前は1000万円から3000万円前後でも買えたことを考えると、高騰しているのは確かではあるものの、裏事情としては先の某専門店が値をつり上げたというのもあったりするが……。
そもそもトヨタ2000GTの価値というのはどこにあるのだろうか。まずなにはなくとも生産台数で、337台(試作車含む)のみで、確かに少ない。ちなみに現存割合はかなり高いと言われているのも、登場当初から特別な存在であることの現れだろう。
日本車初の装備などが満載
肝心のクルマとしての性能はどうかというと、もちろん今の基準からすればたいしたことがないものだが、3キャブ装着の直6DOHCエンジン。さらに日本車初となる、リトラクタブルヘッドライトの採用や、同じく市販車初採用となるマグネシウムホイール。また4輪ディスクブレーキも日本車初など、トピックスは多い。
また、ヤマハが楽器製作のノウハウを活かして作り上げたウッドパネルも欧州車的な雰囲気を醸し出すなど、あらゆる点で当時の日本車のレベルを大きく超えていたのは事実。今でいうところのプレミアムスポーツと言って間違いない資質があったのは事実だ。
そして最後にサーキットの狼も関係している気がする。隼人ピーターソンが駆っていた印象が、スーパーカー世代以上には強烈にあるだけに、別格の存在なのではないだろうか。
(取材協力:トヨタ2000GTオーナーズクラブ)