わずか1ポイントでランキングを1つ下げる
アメリカのストックカーレース「NASCAR(ナスカー)」の3大カテゴリーの一つである「2019NASCAR Gander OutdoorsTruckシリーズ」の第2戦「ULTIMATE TAILGATING 200」が2月23日(米国東部時間)ジョージア州にあるアトランタ・モータースピードウェイ(以下アトランタ)で開催。昨年のこのシリーズのチャンピオンで、唯一の日本人オーナーチームであるHRE(Hattori Racing Enterprises)は、トップ10フィニッシュとなる7位を獲得。ポイントランキングは、わずか1ポイント差ながら2番目となった。
HREは、2月15日(金)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された開幕戦で優勝し、幸先のよいスタートを切った。今季、同チームの16号車に乗る若手ドライバーAustin Hill(オースティン・ヒル)選手はジョージア州の出身。地元でのレースということもあって「開幕2連勝」とチームの期待もいつも以上に高まっていた。
アトランタのコースは、1周1.54マイル(約2.46km)のクワッド・オーバル(四角い楕円形)コース。このコースでは、エンジン出力を制限する「リストリクタープレート」の装着義務がない。ストレートに5度、ターンには24度のバンク角がつきコース幅も広いので、平均速度が300km/hにも達するコースで、3ワイド、4ワイドでの超高速バトルが繰り広げられるレースとなる。
HREのトヨタ・タンドラ16号車は、開幕戦の千葉トヨペット・カラーから一転、第2戦では世界最大規模の機器レンタル会社である「United Rentals」のカラーリングに変更された。
2月22日(金)の午後からスタートした1回目の練習走行セッションでは、ミッショントラブルに見舞われ走行をキャンセル。走り出しこそ他チームから出遅れるものとなってしまったが、それでも2回目の練習走行セッションで、6番手タイムをたたき出すなど、きちんとリカバリーしていた。しかし、翌日2月23日(土)午前中に行われるはずであった予選セッションは雨と濃霧のためキャンセルとなってしまう。予選がキャンセルとなった場合の決勝戦のグリッドは、オーナーズポイントの順位が適用される。そのため、#16「UNITED RENTALSトヨタ・タンドラ」はポールポジションからのスタートとなった。
アトランタのコース130周(約200マイル=約320km)で争われる決勝レースは、2月23日午後4時半に、まず40周で行われる第1ステージからスタートした。16号車は序盤、マシンの状態を確認しながら、ピットインのタイミングでセットアップを進めていくしかない状況であったが、それでも上位ポジションをキープし、5番手で第1ステージをフィニッシュ。ステージコーションでは4本のタイヤ交換と給油をミスなくこなし、47周から始まった第2ステージも8番手からスタートし6番手でフィニッシュ。
そして迎えた最終ステージだったが、ピット作業時に右フロントタイヤの交換にやや時間がかかってしまい、88周目のスタート時には12番手のポジションからのスタートとなってしまった。それでも7番手まで順位を上げ、チームも112周が終わったところでの最後のピットストップでもミスなく16号車を送り出した。その後天候悪化でレースは30分の中断をしたが、オースティン選手は集中力を切らすことなく、残り6周で行なわれたリスタートで、7位でフィニッシュした。
2戦連続でのトップ10フィニッシュで、ポイントランキングでは1ポイント差の2番手に落ちたものの「チームとドライバーは確実に信頼関係が深まっている」と服部茂章チーム代表。シリーズ戦は開幕から3週連続での開催となる。次戦は3月1日(金)、ネバダ州のラスベガス・モータースピードウェイで開催される「NASCAR Gander OutdoorsTruck Series第3戦Strat 200」。