ドレスアップや保安基準について、
知識のあるショップ選びが重要
カスタマイズを前提に新車を購入する場合、「ディーラーで新車購入+カスタムショップで自分仕様にドレスアップ」というケースがほとんど。しかし、最近では「新車購入+ドレスアップ」を同時に行なってくれる新車コンプリートカーを扱うショップが増えてきており、自動車のカスタムを前提としているユーザーから大きな注目を集めている。
しかし、自動車の保証、ディーラーでの点検、ローン金利面といった不安の声が多いのも事実。そこで、新車コンプリートカーを買うメリットとデメリットをテーマに、トヨタ・アルファードやヴォクシー、ハイエースといったカスタマイズコンプリートカーを手がける「カスタムガレージ スパーク」に疑問をぶつけてみた。
車両代とパーツ代を一括ローンにして金利節約
例えば、同じ車両価格350万円、カスタム代金150万円・計500万円の車両を前述の2つの購入方法でシミュレーションしてみよう。自動車ディーラーとカスタム系ショップの金利は、それぞれ平均的な数値に基づいて計算してみた(120回払い)。
<ディーラー購入+カスタムショップの場合>
車両価格:350万円→金利・手数料(6.9%):135万4850円
パーツ代:150万円→金利・手数料(13.5%):124万950円
支払い合計:759万5800円<カスタムガレージ スパークの場合>
車両価格:350万円→金利・手数料(2.9%):53万6200円
パーツ代:150万円→金利・手数料(2.9%):22万9800円
支払い合計:576万6000円
上記を解説すると、「350万円+150万円=500万円」の同じ車両&パーツ代金だったとしても最終的な支払い総額では、実に182万9800円もの違いが出ている。特に大きいのは、パーツ代となるカスタムにかかかる支払額(金利)の差だ。通常では高めの金利となるパーツ代金をまとめてローンに組み込めるのは魅力。仮に自動車本体の値引き率がディーラーの方が高くとも金利の差、総支払額の差で計算し直すと差が生じることも考えられる。また、ローンが二重になることもなく、一括管理できるという安心感もあるのだ。
今回はカスタムガレージ スパークでのケースを紹介したが、クルマとカスタム費用にかかる金利を調べておくといいだろう。つまり、新車コンプリートカーが注目されているのは、上記の様な背景があるから。「自分好みのドレスアップ車両に乗りたい」と考えた時に、こういった買い方も選択肢になるはずだ。
合法カスタムのコンプリートカーはディーラーで整備できる
そして、もうひとつの悩みが「イジったクルマだから、ディーラーでメンテナンスできないのでは?」という声。難易度の高いドレスアップに関しては構造変更は必要なものの、当然ながら合法の範囲内で製作された車両ならば問題なく、ディーラーの定期点検やメンテナンスも受けられるそうだ。もちろん新車保証も効く。ただし、自動車ディーラーに聞くと「ドレスアップした部分が関係する保証は受けられない可能性はある」とのこと。
すなわち、保安基準の範囲内でドレスアップを楽しめばいいだけのこと。そういった知識をしっかりと持っており、オーナーの求める方向性に寄り添ってアドバイスできる購入店選びがキモになるわけだ。
では、具体的にどんなカスタマイズが可能なのだろう。大阪オートメッセで展示されたカスタムガレージ スパークが製作したトヨタ・ヴェルファイアは、「ジュール」のフルエアロ、エアサス、22インチのアルミホイール、カーナビなどを装着。エアサスに関しては”構造変更”を取得して保安基準適合車両として登録するなど、これだけのカスタマイズ車両でも胸を張って街中を走ることが可能だ(*ヘッドライトカバー除く)。
ただし、”改造したところ”にトラブルがあった場合がネック。クルマを販売したショップが近くにない場合や、全国に提携ショップがないケースでは、即対応しづらいというのも事実だ。ディーラーで新車購入し、納車後にドレスアップした場合でも同じことなのだが、この辺りも頭に入れておこう。
ちなみに、ドレスアップ派のお父さんにとっての悩みが”奥様”。「なんのためにエアロパーツが必要なの? ホイールを変える意味があるの?」と、その気持ちは分からなくもないけど、支払総額やローンの1本化で月々の支払い金額が高くないことで説得すれば、口説き落とせる可能性は高まる。頑張れ、お父さん!