民間人も買えた陸上自衛隊向けの多目的車両
自衛隊で働くクルマとして、三菱・パジェロをベースにした「73式小型トラック」を紹介したが、今回は高機動車として活躍するトヨタ『メガクルーザー』をクローズアップしたい。そもそも高機動車とは、陸上自衛隊で採用される、主に人員輸送のための車両。今回、取材させていただいた個体は、陸上自衛隊・信太山駐屯地に配備されている現役バリバリの1台だ。
レクサスのSUVよりも小回りが効く
空気圧調整装置でパンクしても走行可能に
快適装備はヒーターとラジオのみ
さらにメーターパネルは、タコメーターすら付いていない質実剛健なもの。イラク派遣時のメガクルーザーにはエアコンが装備されたそうだが、取材車はヒーターしかなく、夏場の渋滞を経験した隊員からはエアコン装備のものが羨ましかったという声も聞かれた。100円ショップで購入したというケース内には、ETC車載器を装備済み。
じつは乗り心地がよくて運転もしやすい
和製ハマーとも称された民生用のメガクルーザーは、2001年までに製造された台数はわずか。SUVのような快適装備のない軍用ベースは、車体価格1000万円という規格外のクルマだったにも関わらず、一部のマニアからも支持された。
自衛隊の活動で最も身近なことと言えば災害派遣活動であり、国のため、人のために職務を全うする姿は称賛と感謝しかない。そんな懸命な活動に、自衛隊の車両が大きな支えとなっているのは言うまでもないだろう。