高速域の安定感を確保する足まわりアイテム
アメリカ発のカスタマイズ手法は、10年ほど前から大きな流行の波となって日本市場を押し寄せている。今ではすっかりメルセデスユーザーにも浸透、定着しているといっても過言ではないだろう。その創成期からリアルなアメリカのカスタマイズ文化を輸入して発信、提案し続けるのが香川県の「アビスオートブティック」だ。
撮影したメルセデス・ベンツGクラス(AMG G63)は、5インチ(12.7cm)ものリフトアップを果たし、アメリカ製の鍛造ホイールブランドの雄である「AGIO(アジオ)」を投入。さらにその高額なホイールに外径37インチものタイヤを組み合わせ、リアルにアメリカで支持されるフォルムへと導いた。
核となる足まわりは「FOX製」のダンパーやジール製のリフトアップスプリング。メルセデス・ベンツ G550 4×42 やG63 AMG 6×6などで搭載される特殊な機構であるポータルアクスルは採用せず、純正の足まわり構造のままリフトアップできる最大値を目指した。
FOX製のダンパー径は2インチと太く、純正のほぼ倍の容量を確保。撮影車には、オプションの減衰力調整機能タイプが装着されていた。
足まわりの構造を大きく変えずに車高を上げるとアライメントの狂いが発生してしまうが、トレーディングアームを下げることでキャスター角まで補正済み。さらにFOX製ステアリングダンパーを装着した結果、ハンドルのブレがなく、高速道路での接地感もしっかり感じられる乗り味に進化した。
大枠で語るとこのようになるが、細部に至るまでリアルアメリカの空気感が浸透。例えば、ランプ系ひとつ注目してみても、バータイプLEDに代わって、現地で主流となりつつあるスポットタイプのバハデザイン製LEDライトを導入している。
ホイールは、前述のアメリカ製鍛造のアジオホイールズ「FRM3P(24×11J)」。タイヤもカリフォルニアから直輸入した、最新のローリングビックパワー製(サイズ37×13.50R24)を履かせた。
フェンダーは「ゲレンデヴァーゲンファクトリー製」し、ワイド感を強調した迫力あるフォルムを実現。さらにジールのアンダーガードに牽引フックもプラスされ、オフローダーのイメージをさりげなくアップしているのだ。
ルーフには、最大容量600リッターを誇る「ハプロ」のルーフボックス。最大級サイズでGクラスに装着しても十分に存在感を主張できる大きさだ。カラーはブリリアントブラック。
やり過ぎると、武骨になりすぎて品格を落としかねないリフトアップスタイルだが、アビスオートブティックでは信念と節度を守ったメイクにより、メルセデス・ベンツの品格を保ったまま、独特の個性を得ることに成功している。そのサジ加減は、じつに絶妙だ。
【詳しくはこちら】
アビスオートブティック TEL087-875-1212
http://www.abyssautoboutique.com/
取材協力:プロ・スタッフ(足まわり) TEL072-333-8733
http://www.4x4prostaff.com/