役立つ情報を表示するアイテムが増加中
愛車の調子がおかしいとディーラーに持ち込めば、昔はメカニックが経験を元に原因を判断。しかし現在では「OBD2」と呼ばれる自己診断機能を使うのが一般的だ。また、クルマのあらゆる情報を読み取れるため、OBD2を活用した社外パーツやスマホ用のアプリがたくさんリリースされ、カーライフを楽しくする手段のひとつとしての認知度も高まっている。
2000年以降車の多くに採用されたOBD2とは?
最近のクルマは高度な自己診断機能「OBD2」が備わっている。その機能こそがOBD(オンボード・ダイアグノスティックス)で、”2″は自動車メーカー間で規格を統一した第2世代であることを示す。コンピュータで制御する部分が多い最近のクルマは、調子が悪くても何が原因か突き止めるのが難しい。そこで車両のOBD2コネクターに診断ツールを接続し、故障の箇所や原因をスムーズかつ的確に究明するワケだ。以前はメカニックの知識や経験に依る部分が大きかったが、OBD2を使用することで診断ミスが起きにくく時間的なロスや工賃を削減できるのもメリットといえる。
とはいえ本来ならば故障して初めて役立つ機能であり、ココまで読むだけでは「使わずに済むのがイチバン」と考えてしまいかねない。でも、そう決めつけてしまうのは性急すぎる。冒頭でも書いたとおりOBD2からは、クルマのありとあらゆる情報が引き出せるのだ。
OBD2からの情報をどのように活用できる?
例えば、メーターに表示されるのは車速や大雑把な水温などの一部でしかなく、OBD2のほうが質・量ともに優れているのは説明するまでもない。そんな情報のカタマリを使わないのは資源のムダ、といわんばかりにアフタパーツ業界には、OBD2と接続するメーター/カーナビ/ドライブレコーダー/レーダー探知機など、数多くリリースされている。 ひとつのモニターに、エンジン回転数・燃料残量・水温・吸気温・電圧・燃費・速度といった複数の情報を表示できるし、取り付けもOBDのコネクターに差し込むだけで特別な配線処理は不要。また、GPSタイプのカーナビは自車の位置がより正確になったり、ドライブレコーダーやレーダー探知機についても得られる情報が飛躍的に増える。他には、スマホにOBD2からの情報を表示し、場合によってはヘッドアップディスプレイのようにフロントウインドウに投影する、なんてことが可能なアプリも存在するのだ。
これらの取り付けには、ハーネスやアダプターといった接続するためのケーブルは必要だが、価格もお手頃で作業の手間も負担にはならないレベル。いざとなればDIYで取り付けも可能だ。ただし、車種やハーネスの適合をしっかりと確認することが重要なのも付け加えておきたい。
ちなみにOBD2が自動車へ搭載されるようになったのは、おおよそ2000年頃。コネクターの位置は車両によって異なるが、インパネの下やセンターコンソール周辺、運転席や助手席の足もとが多い。まずは自分のクルマがOBD2を備えているかチェックし、パーツやハーネスに関しても設定車種を確認しておこう。