クルマの美術的価値は数年前に不動になった
もともとオークションとは絵画や彫刻といった美術品、骨董品の売買から始まったとされている、欧米の上流階級を中心として立ち上がった文化だった。その証拠に、いまでもオークションの主催者として知られるメジャーな2大オークショニア、「サザビーズ」や「クリスティーズ」では、アートがオークションの中心になっている。
現在、クルマのオークションで最も人気がある「RMサザビーズ」は、美術品の取り扱いで歴史ある英国の「ササビーズ」(1744年創業)と、クルマを取り扱うオークションとして北米や欧州で活動を行なうメジャー団体「RMオークション」(1976年創業)とのパートナーシップによって2015年に誕生している。
それまでクルマはいかに我々が価値を感じようとも、あくまでも工業製品として扱われてきたものだった。だが「RMオークション」の誕生は、クルマは美術品的価値を持っているものだと世界が認めた瞬間とも言えるだろう。