設置コスト低減や給電時間短縮などを提案
省・創・蓄エネに加え、スマートシティ、再生可能エネルギー資源リサイクルに関する技術・製品・サービスが出展する新エネルギー業界の国際商談展示会「スマートエネルギーWeek2019」が、2019年2月27日(水)から 3月1日(金)まで、東京・お台場にある東京ビッグサイトで開催された。「第9回[国際]スマートグリッド EXPO」のコーナーでは、電気自動車向けの次世代型急速充電器の出展が相次いでいた。
スイスに本拠を持つABBは「Terra HP」という、DC400V・DC800Vの両タイプに対応のモジュール式急速充電器を展示。充電時間を最小化するための高出力給電に対応したこの充電器は、充電スタンド「充電ポスト」のみの展示だったが、本来はパワーキャビネットと対になっている。375A/160kWで連続給電できる(最大175kWの給電となる)。これを2つのパワーキャビネットシステムにすれば、対になっている充電ポストからは、500A/350kWの給電が可能となるなど、システム拡張が可能という。
茨城県にあるBell Energy社は、昨年パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに参戦したSAMURAI SPEEDチームの日産リーフを展示。アメリカのFREEWIRE TECHNOLOGIES社の次世代型急速充電器「Boost Charger」も展示していた。「Boost Charger」は、160kWhもの蓄電池を備えたモデルだ。
50kWを超える出力の急速充電器を設置するには、高圧受電契約やキュービクル(キュービクル式受変電設備)が必要となるため、設置する側にとってはコスト的に厳しくなってしまう。
ところが「Boost Charger」は、低圧受電契約のまま設置ができる。さらに120kWでの出力が可能という。もちろん蓄電池の電力には限りがあるので連続給電には制限があるが、蓄電池が空になっても設定した出力での給電も可能。給電が終われば蓄電池への充電を始めるため、設置者にとっては財布に優しい次世代急速充電システムとなっている。