駆動用バッテリーに負担をかけない
街中で見かける機会が増えた電気(EV)自動車。100%電気の力で走るクルマは、駆動用のバッテリー残量がゼロになれば走ることはできなくなってしまう。もちろん、エンジンを搭載している車両も燃料がなくなれば走行不能なのは同じだが、充電スポットのインフラは、都市部とそれ以外の地域で差があるのも事実。そんな電気自動車を運転中に「電欠」しそうな時はどうすればいいのだろう。
節電のためまずはエアコンを停止
そんなとき最初にやることは空調の停止。多くの電気自動車はエアコン作動のために駆動用バッテリーの電力を使用している。そのため、空調を停止することで駆動用の電力を節約することが可能。電欠寸前だと数キロしか稼げないかもしれないが、その数キロが大きな差になることもある。
電力消費を控える平坦&最短ルートを探す
続いてはルート選択だ。土地勘がなければできないワザではあるが、なるべくアップダウンのない平坦なルートを選択したい。登り坂では当然ながら電力を大きく消費してしまうが、それと同じだけの下り坂があったとしても駆動ロスやタイヤの抵抗などもあり、登り坂で余計に消費した電力をすべて回収することは叶わない。
そのため、平坦なコースを通ることで余計な電力消費を抑えることが可能。といっても、平坦ルートが大幅な遠回りになってしまうのであれば逆効果なので、なかなか難しいところかもしれない。
いよいよのときはロードサービスを依頼
それでも充電スポットまでたどり着けそうにない。こうなれば、無策に走り回るよりは安全に停車できる場所を探す方が先決だ。JAFや任意保険などに付随するロードサービスを手配し、近隣の充電スポットまで運んでもらうことになる。
そこで、ロードサービスではどう対処しているのか。JAF事業化係長の長谷川氏に聞いてみた。
「電欠で動けなくなってしまった場合、牽引車でお客様が指定した場所まで運ぶことで対応しています。電欠以外の二次的な電気系トラブルが考えられるため、その場で急速充電というような対応はとっておりません。漏電など危険が伴うケースも考えられるので、作業スタッフは特殊な手袋をはめるなどの絶電装備をして作業するようにしています」。
聞けば、電欠によって止まってしまったという救援要請は少なくなっているそうだ。これまでよりもEV車の航続距離が伸びたうえ、自動車メーカーのサポートも充実。そして、全国に充電スポットが増えたことも理由だろう。
高速道路では早め早めの充電
ちなみに、高速道路上での電欠ストップはガス欠でストップしたときと同様、高速自動車国道等運転者遵守事項違反となる可能性がある(反則金9000円・違反点数2点)。それ以前に高速道路上でのストップは大きな事故に繋がる可能性もあるので、事前のドライブルートの確認や早め早めの充電などが重要と言えるだろう。