適正な点検をしている人は3~4人に1人
JAFは、2007~2017年度のロードサービスにおける出動件数を公開した。なかでも際立っているのが、「タイヤのトラブル」に関する救援要請で、2017年度は39万1799件と過去最高を記録。10年前よりも4割近く増加しているそうだ。
JAFが行なった「タイヤのパンクに関するアンケート調査」によると、タイヤの点検サイクルについて「1ヶ月以内」と回答したのは全体の27.4%。タイヤの点検サイクル適正は1ヶ月に1度なのだが、2ヶ月以上点検しない人は8割近くにおよび、「気にしたことがない」という人も1割いるそうだ。
車載工具の変化も要請増加の原因か
さらに、JAFではタイヤパンクに対応するための搭載品についてアンケート。調査によると、スペアタイヤと応急修理キットのどちらかを聞く設問で、35.6%が応急修理キットと回答した。応急修理キットはタイヤからエアの漏れを少なくする修理剤と、空気圧を調整するコンプレッサーとのセットが一般的で、近年のクルマに多く採用されている。しかも「クギやネジが刺さったパンクはそれを抜かずに応急処置が必要」など、使用の際に気をつける項目があるために説明書を確認する必要がある。
では、なぜパンクに関する応援要請が増えているのだろうか。そのひとつが、タイヤの破損具合によってはパンク修理剤で修復できないこと。そもそもバーストだけでなく、タイヤの側面にも対応できないのが実情だ。また、応急修理キットの普及によって車載工具も簡素化されている背景も応援要請が増えた要因となっているのではないだろうか。さらに、作業自体が面倒臭いという人が増加しているような気もする。
近年は燃費向上(車重が増えるのを避ける)や車載スペースの確保、環境保全(使用せずに廃棄される)などのために、スペアタイヤを搭載するクルマは減っている。ジャッキアップしてタイヤを交換する作業は負担かもしれない。しかし、たとえ大きな破損があったとしても、たとえ山奥でトラブルになったとしても、スペアタイヤに交換できる、その安心感は修理キットと比べて高いことは言うまでもないだろう。
なお、修理キットで直したタイヤは再使用できないうえ、修理剤も新しいものを買わなければいけない。また、修理剤には使用期限があるため、いざという時に使えない可能性もある。そうならないためにも月に1度のタイヤ点検だけでなく、スペアタイヤの空気圧チェックや修理剤の使用期限も見ておくようにしたいものだ。