自動車文化を9つのテーマに分けて展示
トヨタ自動車の創立50周年記念事業の一環として1989年4月に開館したトヨタ博物館は、開館30周年に向けて常設展示のリニューアルを段階的に実施している。このほど「クルマ文化資料室」を4月17日よりオープンすることになった。
トヨタ博物館は、世界の自動車の発達史を知ることができる施設であり、自社のコレクションだけではなく、ガソリン自動車の歴史上重要な国内外の名車を収集することに主眼を置いている。じつはトヨタ博物館には、車両だけでなく、国内外の自動車文化の関連資料を収集していることでも知られ、その数は、書籍、雑誌、カタログが約20万点、その他の文化資料は約1万5千点にのぼる。
4月にオープンする「クルマ文化資料室」では、こうした収蔵資料から「移動は文化」をテーマに、約4000点の文化資料を展示する。
文化資料は9つのゾーンに分けられて展示されるが、これまで世に送り出された「クルマ」がどのように社会に受容され、どんなイメージで表現されていったのか、その軌跡をたどるというじつに興味深いものだ。それぞれのゾーンは、それぞれ次のようになっている。
1)昔の出版物に見る乗り物文化[錦絵、引札、うちわ絵、すごろくを展示]
2)自動車と出版物[自動車雑誌・カタログを展示]
3)自動車ポスター
4)カーバッジ
5)カーマスコット
6)自動車切手
7)自動車玩具・ゲーム
8)世界のライセンスプレート
9)文学、マンガ、映画、音楽
クルマは移動手段であるとともに、ステータスシンボルであったり、ライフスタイルを彩る存在だったりする。そんなクルマが重要な存在として描かれている文学、マンガ、映画、音楽を展示・紹介する。
百年に一度の転換期を迎えるといわれている自動車産業だが、今こそ原点に立ちかえりモビリティの未来を考え、ユーザーとともにクルマ文化を創りあげていく。そんなトヨタの想いを「クルマ文化資料室」のオープンをはじめ、トヨタ博物館で行われるイベントで感じてみてはいかがだろう。