熱視線が注がれたジャパニーズ・スポーツ
アメリカ・アメリア島で「RMオークション」が2019年3月8日〜9日に開催。21回目の開催となるアメリア・オークションでは全142台が出品されるなか、日本のスポーツカーも数多くリストに入っており、その人気ぶりをみせた。今回は国産スポーツカー4台と、高額落札モデルをトップ5を紹介しよう。
1993年式 マツダRX-7(FD3S)
落札価格(日本円):561万1485円
個人コレクションから出品されたRX-7の走行距離は1万3600マイル(2万1887km)、2オーナーものだ。日本においても、ロータリーエンジンの搭載モデルとして、走り好きなファンを虜にした1台。漫画「頭文字D」や映画「ワイルドスピード」にも登場することから、海外でも高い人気ぶりをみせている。
丸み帯びたイタリアンデザインが特徴的で、エンジンは13B型2ローター・ロータリー+シーケンシャルツインターボによって、輸出仕様で252馬力を発揮する。
車両は、1993年3月にミシガン州に納車され、7年間でわずか965kmの距離を刻んだところで、オーナーはRX-7の人気ぶりにコレクターズカーになることを確信。1997年から2012年まで約4500マイル(7242km)未満と、好コンディションを保っていた。
日本において、同年の新車価格は338万円から。フルオリジナル、2オーナー車を探すのは国内でさえ困難なゆえに、コレクションという視点ではなく、本当にRX-7が好きな人に乗って楽しい1台と思う。
1996年式 日産フェアレディZ 300ZXツインターボ
落札価格(日本円):591万6691円
ロー&ワイドのスタイリングを持つZ32型フェアレディZも北米では人気の1台。日本では当時の自主規制によって国産車初の280馬力として話題となったが、自動車メディアでは「北米仕様は300馬力」というキャッチが目立ったモデルでもある。
カリフォルニアからテキサス州の日産ディーラーに届けられた後、1999年2月に最初のオーナーへ納車された個体。当時の走行距離は25マイル(40km)だった。
資料によると、2016年までテキサスで大事に乗られており、2016年10月に走行距離2719マイル(4375km)でオイル交換されたという記録がある。
まるでタイムスリップをしてきたかのような新車コンディションを保つZ32フェアレディZは、こちらも日本で探すのは困難。400万円以上だった新車価格から考えるとお買い得な1台なのかもしれない。
1994年式 トヨタ・スープラ ツインターボ タルガ
落札価格(日本円):1932万9318円
2019年1月のアメリカ・デトロイトショーで発表されたスープラ。今回、個人コレクションから放出された先代の80型スープラは、走行距離1万1200マイル(1万8024km)という個体だ。
しかも新車から25年もの間にチューニングされることなく、オリジナルのまま過ごしてきたという。また、タルガトップ(タルガとはRMオークションでの表記。正式にはエアロトップ)という希少モデルである。
もともとはイノイリ州で新車販売され、約2年ほどアメリカ国内で保管。その後、スイスに輸入されたという経緯を持っている。
映画「The Fast and the Furious(ワイルドスピード)」の影響もあって日本よりも人気が高く、今回の落札価格は1932万9318円という驚愕プライス。国内の新車価格は401万円(RZ)という値付けだった。
人気車種ゆえに価格が高騰していくことは仕方がないが、当時を知っている人からすると「?」というのが正直な感想。しかし、アメリカ市場においては、さらに80型スープラが高騰していくのは間違いないと言えるだろう。
2012年式 レクサスLFA ニュルブルクリンクパッケージ
落札価格(日本円):1億165万6150円
2009年の東京モーターショーで市販モデルを発表し、同年500台限定で発売されたレクサスLFA。さらにサーキット走行を重視した高性能モデル「レクサス LFAニュルブルクリンクパッケージ」が出品された。
わずか50台のみ割り当てられた超プレミアムモデルは、15台がアメリカへ輸出。カラーバリエーションはブラック、マッドブラック、ホワイト、オレンジの4色から選択することが可能だった。
出品された個体は走行距離2599kmと少なく、まだまだ新車同等のコンディション。新車価格は4450万円だったにも関わらず、15台という希少性もあって1億円以上で落札された。
このように日本車は熱い視線を浴びているわけだが、世界にはさらに高額となった出品車両が数多く存在する。そこで、RMオークション・高額落札車ベスト5の車名と落札価格を紹介したい。