N360から継承する乗員最優先パッケージング
ホンダは、2019年4月5日(金)〜7日(日)に、千葉県・幕張メッセで開催される「AUTOMOBILE COUNCIL 2019(オートモビル カウンシル 2019)」に出展。ブーステーマは「Honda ものづくりー継承されるM・M思想~生活を豊かにする“人中心”のコンセプト~」だ。M・M思想とは、「人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に=M・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)」というホンダのクルマづくりの基本思想。この思想は、現在も脈々と受け継がれる。
1966年に発売されたホンダ初の軽乗用車、N360は、小さなボディでも4人が乗れるパッケージングデザインを採用。初代シビックも同様で、1980年代から具体的にM・M思想という表現を始めてはいるが、この思想はホンダの自動車造りを始めた頃から常にあったわけだ。
M・M思想を謳う1981年にデビューしたのが初代CITY(シティ)。ボディサイズは、全長×全幅×全高が3380×1570×1470mm。同時期に販売されていた2代目シビックに比べ、シティの全幅はほぼ同じだったが、全長は490mm短く、全高は120mm高かった。シートの座面位置が高く、乗員を立てるように座らせることでコンパクトなボディを実現。1.2リッター直4エンジンも横置きレイアウトで搭載され、居住空間拡大に一役買っていた。
現在では当たり前のトールタイプの乗用車だが、セダンやクーペ(2ドアセダンも含む)が主流だった当時、シティのパッケージングデザインは驚愕だった。なおブースには、このような思想が現在も継承されていることを2018年に発売されたN-VAN(エヌバン)の展示を通じてアピールするという。
また、シティと同時に発売されたシティ搭載用トランクバイク「MOTOCOMPO(モトコンポ)」と同時期に販売された携帯発電機「デンタ」も展示。
ホンダは、1967年にクルマに積載することを前提に折りたたみ式ハンドルを採用した原付バイク・モンキーを販売していた。マイナーチェンジでハンドルの折りたたみ機構を廃止したため、モトコンポは約12年振りにクルマに積載するバイクとして登場したわけだ。
モトコンポは、シティのラゲッジスペースにピッタリと搭載できるように、ハンドルを折りたたみ、シートを押し込めば、車体上面がほぼフラットになる構造。今流行の4+2輪アウトドアライフをいち早く実現していたのである。
ブース内には、ホンダのデザインスタジオが製作した、出展モデルと同色のシティ・モトコンポ・デンタの精巧な1/4スケールのモックアップモデルもディスプレイ。二輪・四輪・パワープロダクツと広がりのある事業を展開するホンダのユニークさをひと目でわかるようになっている。
日産・SUBARU・トヨタ・Lexus Internationalと共同出展するブースには、ピニンファリーナ社の技術協力を得て開発し、1984年に当時14年ぶりに国内メーカーとして発売したオープンモデルであるCITY Cabriolet(シティ カブリオレ)も展示する。