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NASCARトラックシリーズ第5戦 「HRE」16号車はマシントラブルでリタイア

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

前戦からのトラブルが再発!

 アメリカでもっとも人気のある自動車レースである「NASCAR(ナスカー)」の3大カテゴリーの一つ「2019NASCAR Gander OutdoorsTruckシリーズ」は、3月末の週末、テキサス州フォートワースにあるテキサスモータースピードウェイでその第5戦を迎えることとなった。

 NASCAR唯一の日本人オーナーである服部茂章氏が率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、このシリーズの昨年のチャンピオンチーム。今季は、ドライバーにAustin Hill(オースティン・ヒル)選手を起用し、新たな体制でこれに挑む。HREの16号車は2月の開幕戦優勝、そして第2戦7位。好スタートを切るも、その後は第3戦リタイア、第4戦はチェッカー寸前で他車から追突され順位を大きく落とすなど、少し流れが良くないが、この第5戦でばん回したいところだ。

 先週のマーティンズビルからの2連戦となる第5戦は、テキサスのコースを147周(レース距離205マイル=約350km)で争う「VANKOR 350」。24度ハイバンクを持つ1周1.5マイル(約2.41km)のクワッド・オーバル・コースだ。コース幅が広く、さらに最高速度は320km/h超えるほどの超高速トラックとして有名。

 16号車は、自動車用ガラスの交換や修理サービスを行う「Safelite AutoGlass」のスポンサーカラーで第5戦に出場する。

 レースは3月29日(金)に決勝となる。その決勝を前に、28日(木)の夕方から始まった練習走行セッションでは、セッティング作業も好調に進み、2回目のセッションではトップタイムをマークし、幸先の良いスタートとなった。そして決勝日当日、夕方6時から行われる予選セッションでもその好調さをキープ。決勝を見据えたロングラン仕様のマシンセットでありながら5番グリッドを獲得して、レースに臨む。

 午後9時からスタートした決勝レースは、まず第1ステージの35周から始まった。「#16 SAFELITE AUTOGLASS TOYOTA TUNDRA」は、積極的に攻め、序盤からクラッシュが頻発するレースにもかかわらず、時折3ワイドになりながらレースを進め、第1ステージは5位で終了し、6ポイントを獲得。そしてこの日最初のピットイン。続く第2ステージは、この間にコース上にとどまる車両も多く、ピット作業を行ったドライバーのヒル選手は12番手まで順位を落とす。

 43周目に第2ステージがスタートすると一気に6位にまでポジションをアップ。しかし、その後に起こったクラッシュによりレースは赤旗で一時中断。このタイミングで16号車の水温上昇が見られたため、再度ピットインしマシンの状態確認とグリル部分の調整を行って、18番手からリスタートする。

 グリーンフラッグとともにヒル選手はまたしても果敢に攻めポジションを12番手までアップ。しかし再度水温の上昇が見られたため、ピットインを余儀なくされた。以後も水温を下げる措置をとるが状態は好転せず、チームは、レース続行は不可能と判断し、第2ステージ途中でレースを終えることとなった。

 このレースは、#51トヨタ・タンドラに乗るカイル・ブッシュが優勝を収め、第2戦から4連勝となっている。ブッシュ選手は上位シリーズのカップシリーズドライバーであるため、ポイントは付加されず、ヒル選手のランキング7位をキープ。また、5戦終了時点で、18戦目から始まるプレイオフ戦の進出が確定しているのはHREのヒル選手のみだ。

 16号車のオーバーヒートの問題は、第3戦のラスベガス戦と同じ。同じトラブルが発生したことおは大きな問題だが、続く第6戦は約1か月後であり、時間があるため、チームは全てをチェックして問題解決を行い、最高の状態で次戦を迎えるとしている。

 NASCARトラックシリーズ、第6戦は、5月3日(金)、デラウェア州にあるドーバー・インターナショナル・スピードウェイで開催となる「JEGS 200」。1周1マイルで、ターン1-2とターン3-4が同形状のオーバルコース200周で争われるレースは、夕方5時(現地時間)に決勝がスタートする。

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