趣きが異なる2台のジムニーを展示
4月6日(土)と7日(日)の2日間、東京お台場特設会場で開催されたMOTOR SPORT JAPAN 2019 Festival in Odaiba(モータースポーツジャパン2019 フェスティバル inお台場)。軽自動車ドレスアップ誌K-STYLEは、3台の軽自動車を展示。うち2台は新型ジムニーのメーカーデモカーを展示したのだが、それぞれの趣はいい意味で180度真逆のスタイルを持ち合わせる。
かたや機能性を重視した、足まわりと補強パーツがメインにするキャロッセ、かたや新型ジムニー特有のデザインを十二分に生かした、スタイリング重視のKLC。どちらも新型ジムニーのユーザー層の広さを象徴するデモカーで、抜群の注目度だったのが印象的。このクルマの持つカスタマイズポテンシャルの高さを来場者に向けてアピールする事に成功した。それぞれのコンセプトともに紹介しよう。
しっかりとした足まわりをアピール
全日本ラリー選手権をはじめとして、レースや競技に欠かすことのできないパーツを様々な車種に多数供給し続けている「クスコ」。そんな同社製の新型ジムニー用パーツは、得意のサスペンションキットとその足を効率的に動かすための補強パーツを中心にラインナップ。
またクロカンタイプのSUVというジムニーのキャラクター上、車高を高めるリフトアップ系キットだけの開発かと思いきや、ローダウン用のサスペンションキットも用意されている点は注目で、会場に持ってきたデモカーはそのローダウン仕様。
足まわりの他に注目なのが、サイドに奢られたJB64W用(軽自動車のジムニー)のワイドボディキット。簡単取り付けで手軽にジムニーがワイド化できるというジムニーユーザー必見のパーツである。今回のデモカーはこの2点が中心になるだが、他にもエンジンパワーを向上させるインタークーラー導風板やリヤトランクバー、シートレールプラスといった、ボディ剛性向上に効くアイテムを多数用意している。
【フェンダー】
片側約9ミリワイド設計で、理論上は車検にも対応するワイドフェンダー。素材はABS樹脂で表面は黒シボ仕上げのため、塗装せずに付けても違和感なし。その取り付けも付属の両面テープと純正サービスホールを使ってボルトオンで固定するだけと、非常に手軽に扱えるのが嬉しい。フェンダーにベストマッチなサイドステップも用意されていて、フェンダーだけまたはサイドステップとのセットの2パターンが選べる。
【サスペンション】
ローダウンサスペンションキットは専用のスプリングとネジ式スペーサー(アジャスター)、ショックアブソーバーの3点セットの他に、純正ショックを使ってバネとスペーサーだけで車高を落とすローダウンスプリングセットの2種類を用意。専用ショックはなめらかな乗り心地と高い走行性能を併せ持つ複筒式を採用、さらには前後14段の減衰力調整付きで細かい乗り味の調整も可能なのが嬉しい。
【ストラットタワーバー】
クスコ定番となるボディ剛性パーツのストラットバー。オーバル断面形状の軽量アルミ製かつ高剛性シャフトを採用し、効果的にボディのゆがみを抑制。ハンドリング特性を最大限に生かすための専用設計なので、追加後のフィーリングはよりスムーズになること間違いない。またドレスアップの観点からもパーツの有無では相当印象が変わる。
【リアピラー】
高剛性なスチールブラケットに22φアルミシャフトを採用、ボルトオン装着が可能なリヤピラー。装着後は左右のCピラーが連結されるためボディ剛性が大幅にアップし、ねじれに対するボディの歪みや不快な動き、経年劣化を抑制する役割が期待できる。
その名もズバリ「#ジムニー女子」
軽自動車専門エアロパーツメーカー「KLC(ケーエルシー)」の、新型ジムニー専用ブランド『Heritage(ヘリテイジ)』。継承や伝統を意味するこの名前を模したジムニーはそこはかとなくノスタルジーで、カッコいいというよりはおしゃれな雰囲気。
同ブランドが目指しているのはまさにそこで、新型ジムニーのボディキットといえばメルセデス・ベンツGクラスルックなものが多いなか、それとは違うベクトルを向いた意匠を採用。同ブランドよりボディキットは2種類設定されているのだが、今回紹介するのが「#ジムニー女子」、もうひとつが(ご察しかも知れないが)「#ジムニー男子」。前者はかわいさを、後者はかっこよさを意識したデザイン採用し、デモカー自体もそういった雰囲気に仕上げている。
【フロントグリル】
フロントグリルのデザインはトヨタ40系ランドクルーザーをオマージュ。実はこの形、先々代JA22系のジムニーカスタムで爆発的にヒットしたデザインで、それを新型でも再現。その上で22系についている光軸調整の穴を再現したり、またグリル作成にあたってそれ自体の厚みを極力薄くするため、一度えぐってから成形し奥行き感を出すなど、エアロパーツメーカーとしての技術をしっかりフィードバック。「同じようなデザインのグリルは結構あるけど、違いを見て頂きたいです」とは同社の川原代表。
【フロントバンパー】
フロントバンパーはあえてフォグを設定せずにスッキリと。これはJA22系ジムニーを意識しているのだが、サイドへ向かう際のプレスラインの角度等は現行モデルのJB64系ジムニーの形状に合わせる。バンパー下まわりは本来ならスキッドプレート化するところだが、このバンパーの雰囲気には合わないのでデザインを盛り込まずにプレーンな形状でフィニッシュ。黒とシルバーの塗り分けはシルバー部分の厚みを薄く見せつつも余計な部分は隠すため。
【タイヤ&ホイール】
ホイールは森田システムの『Daytona’s』。いわゆる鉄ちん風のディスクデザインが採用されているのだが、注目はその色。あえてメッキを選ぶ事でブランドコンセプトのノスタルジックなテイストを足元でも演出する狙い。ヴィツァータイヤのホワイトリボン付きタイヤを合わせれば、どこかクラシカルアメリ
カンな足に見えてくるから不思議。
【スプリング】
車高はリフトアップサスペンション『轟(とどろき)』で3センチUP。同スプリングは「ちょいアゲ」がコンセプト。しかも車種毎の車重を計算した上でのバネレート算出をしている専用設計。ただ上がればいいのではなく、上げて快適に走れるというのもポイント。もちろん車検をパスできる範囲のアップ量だ。
【マフラーカッター】
ダウンテールデザインのマフラーはボルトオンで固定が可能なカッタータイプ。低コストで大きく印象が変わるアイテムというのも開発コンセプトなのでカッターに。実はエアロパーツの構成が、フロントグリルとフロントバンパーだけなのもそれが理由。
【シートカバー】
シートカバーはデニム“風”デザイン。デニム特有の色移りや色落ちの心配がなく、デニム生地を使ったカバーよりも低コストで仕上げられるのがポイント。現在最終調整中でリリースはまもなくとのこと。
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キャロッセ