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懐かしのホンダ「シティとモトコンポ」〜相思相愛の関係が現代に蘇る〜

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 増田貴広

シティのラゲッジに折りたたみ式バイクを搭載

「AUTOMOBILE COUNCIL 2019」に出展したホンダのテーマは、『Honda ものづくりー継承されるM・M思想~生活を豊かにする“人中心”のコンセプト~』だった。

 M・M思想とは、「人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)」というHondaが掲げるクルマづくりの基本思想。そのM・M思想を具体的に体現した製品として、初代シティ(1981年製)と、現行のN-VANの2台が展示されていた。

 初代シティは車体もエンジンも画期的で、それまでのホンダは全高の低さにこだわったこともあり、オーバーハングも長いスタイルを好んでいた。しかし、このシティは「トールボーイ」と呼ばれるほど車高が高く、全高は1470mmでオーバーハングは極力短く、エンジンやサスペンションもコンパクトに設計。つまり居住性を最優先していた。

 また、エンジンもビックボア×ショートストロークの高回転・高出力型エンジンというのがホンダの伝統だったのに対し、シティでは正反対のスモールボア×ロングストロークのトルク型エンジンを新開発。当時としては驚異的な、リッター21kmという省燃費性能を達成した。

 ターボとの相性も抜群で、ホンダの第二期F1でウイリアムスに搭載されたRA165E以降のエンジンも、シティのエンジンと同じくショートボア×ロングストローク化されたことで、黄金時代を築いたのである。

 シティのラゲッジスペースに搭載できることで注目された「モトコンポ」も一緒に展示。小型の折り畳みバイクはシティと一緒に発売され、BMWやスズキと並び、四輪とバイクのどちらも生産しているホンダならではの「夢の六輪生活」を具体化したパッケージとして注目された。

 80年代のクルマ好きなら、シティとセットでモトコンポのプラモデルを作った人も多いはず。ブースでは、スキャナーを使って再現したシティとモトコンポ、さらに発電機のミニチュアモデルも展示された。

 一方のN-VANはいわばM・M思想の現代版。バンにもかかわらず、ベースはFFのN-BOXなので低床式かつフラットなフロアを持ちあわせたクルマである。

 展示車には、その積載性の良さを生かして、クロスカブ(CC50)を搭載。現代版「六輪生活」の実践例として「生活の可能性が広がる楽しみ」を伝えていた。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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