最新ギアと情報が集まるイベントが全国で展開
ここ数年、キャンプがブームになっているという話を耳にすることが多いのではないでしょうか。グーグルで「キャンプ アウトドア」と検索すると5億9700万件と表示される。ちょっとびっくりです。オートキャンプをはじめ各種統計や白書を見ても、ここ数年キャンプ・アウトドア人口が右肩上がりで増加し続けているとの報告もあり、どうやらキャンプブームは本物のようです。
そんな折、4月6日・7日の2日間にわたって、国内最大級のキャンプ・アウトドアイベント『アウトドアデイジャパン』が東京・代々木公園で開催される聞き当編集部も足を運んでみました。イベント会場は午前10時のオープンから来場者でいっぱい。キャンプのみならずアウトドア、クルマ、ファッションなど多彩なブースが多数出展し盛況ぶりが伺えました。
アウトドアデイジャパンの初開催は2001年だそうです。実は今年で19年目を迎えるイベントなんですね。2015年からは福岡、札幌の3都市での開催となり、今年は新たに名古屋での開催も予定されていますので関心もひときわ上昇中。メインテーマは「体験・体感」に主軸を置いており、最新のキャンプ・アウトドアギアを見るだけでなく実際に触れることのできるイベントとなっています。
実際、注目を集めている出展ブースには長蛇の列も。ノベルティグッズや先行販売などのほか、体験コーナーやチャリティイベントなども用意され、2日間をたっぷりと楽しめる充実ぶりを見せていました。来場者の顔ぶれも、若者・女性・ファミリー・ミドル層など実にさまざま。年齢や性別を問わずキャンプ・アウトドアが浸透していることをと実感させてくれました。
多様化するニーズにSNSや癒し、リア充
少し話が遡りますが、日本に本格的なアウトドアブームが起こったのは80年代から90年代にかけて。バブル期もありましたがレジャーへの関心が高まり、トヨタ・ランドクルーザーや三菱・パジェロといったRV車が飛ぶように売れ、当時のキャンプ人口は約1580万人という統計もあります。
現在のアウトドアブームは、その当時アウトドアを経験した子供たちが大人になり、ファミリーで自然環境に親しみたいというニーズがあるといわれているほか、「ヤマノススメ」や「ゆるキャン」といったアウトドアを題材にしたアニメが放送され、若者層がキャンプに新鮮な興味を寄せていることも理由にあるようです。キャンプ場も従来から様変わりし、ゴージャスなキャンピングを満喫できる「グランピング」や、清潔なバンガローやトイレといった施設改良を行った結果、女性層も増加しています。
こうした「リアルな充実」はインスタグラム等のSNSで発信され、情報を拡散・共有しやすい環境が整ったことも背景にあるかもしれません。もはやキャンプはワイルド一辺倒ではなくなり、多様なスタイルを受け止めるように変わってきてるんですね。イマドキの言葉でいうとダイバーシティってことでしょうか。
一方、ブッシュクラフトのような無骨なキャンプも相変わらず健在で、ユーチューバーとしても人気を博している「ヒロシ」さんのようにワイルドなソロキャンプを志向する人々も少なくありません。ヒロシさんのYoutube登録者数は約36万人。それだけの人々が関心を寄せているんですね。
現代のアウトドア市場は、キャンプを中心に付随するクルマ、光学機器、電子機器、スポーツギア、ファッションアイテムなど、90年代のキャンプブームの頃とはまたひと味違う多方面へと広がりを見せているようです。
アウトドアイベントが映し出す現代人の自然回帰
今回のアウトドアデイジャパンのイベント会場を見て回って印象に残ったのは、そもそも人間は自然のなかで遊びたい動物なんだということでした。街遊びも夜遊びもゲームもそれなりに楽しいですが、海・山・川・森といったアウトドア環境にはなにもない不便さがあり、その不便さを補うギアを駆使する楽しさがあるのです。そんな機能性に溢れたアウトドアギアは道具として強烈な魅力を放っており、使用するシチュエーションを想像させてくれるストーリー性さえも備えています。
アウトドアデイジャパンは会場内のブースに展示されたさまざまな最新ギアを手に取って眺め、メーカー担当者の説明に聞き入る来場者の楽しそうな笑顔や、子供たちがナイフで工作体験をしたり展示車両ではしゃぐ楽しそうな姿が印象的なイベントでした。ちなみに入場者数は2日間で14万6718人とのこと(実行委員会発表)。すごいですね。東京ドーム満員御礼3日ぶんよりも多いじゃないですか。
なお、アウトドアデイジャパンは各都市、次の日程で開催予定とのことです。
【福岡】4月20日(土)・21日(日) 舞鶴公園・鴻臚館(こうろかん)広場
【名古屋】5月11日(土)・12日(日) 名古屋港 ガーデンふ頭ひがし広場
【札幌】6月15日(土)・16日(日) 道庁赤レンガ庁舎前庭・北3条広場(アカプラ)