レースシーンで活躍したマシンをオマージュ
ハコスカGT-Rは日本国内レースで大活躍し、今では「伝説」となるほどに圧倒的な人気を誇り、フェアレディZはアメリカのレースでも数々の勝利を挙げ絶大な人気を博しました。どちらのクルマも今から50年前に登場。生産車だけでなくレースの世界でも圧倒的な速さと強さを知らしめた、日本の数少ないヘリテージカーです。
今回、当時のマシンをオマージュしてカラーリングされた「生誕50周年記念車」を拝見。NISSAN GT-R 50thAnniversaryは、2020年のイヤーモデルとなるプレミアムエディションをベースに、かつてのワークスカラーを彷彿とさせる太いストライプがあしらわれていました。
新たに採用されたワンガンブルーには白いラインを、ブリリアントホワイトパールには赤いライン、アルティメイトメタルシルバーには白いラインを採用。リヤには「GT-R 50th Anniversary」の専用バッジとステッカーが象徴的に貼付されていました。
このほかワンガンブルーの外装色車のみ、ボディカラーとカラーコーディネイトされたブルースポークホイールを装備。インテリアにはミディアムグレーの専用色を採用、さらにセミアニリンレザーを使い特別仕様にふさわしい高級感あるキャビンに設えられています。なおこのモデルは、2019年6月から発売が開始され2020年3月末までの期間限定モデルとなるそうです。
そして、フェアレディZ 50th Anniversaryは、BREが率いた往年のカラーリングを再現するようにブリリアントホワイトパールのボディをベースにハイブラントレッドの組み合わせと、ブリリアントシルバーのボディにダイヤモンドブラックを組み合わせた2種類を用意。19インチのホイールリムには赤いラインが追加されていました。また、50周年仕様の専用ステッカーをフロントフェンダーに、リヤには50周年記念バッジを添えていました。 そしてインテリアで目に付くのは、センターストライプがあしらわれたアルカンターラ表皮のステアリング。このほか専用ステッチが施されたシートやシフトノブ、キッキングプレートのほか、各所に50周年記念ロゴを配してあります。こちらのモデルも今夏に発売予定で、GT-R同様に2020年3月末までの期間限定モデルとなっています。
半世紀という長きにわたり「日本のスポーツカーの象徴」として君臨し続けるGT-RとフェアレディZは、いまや紛れもなく世界に誇ることのできる希少なスポーツカーであることは疑いないようのない事実です。
だからこそ日産には、GT-RだけでなくフェアレディZにもスポーツカーとしての勲章となる「レース」という土壌で鍛え上げるという手段も取り戻してほしいと切に願います。1969年当時、ハコスカGT-RやフェアレディZが紛れもなくサーキットの主役だった頃に両車に胸をときめかせたおじさんとしての儚い呟きではありますけれど。