ドラテク磨きやモータスポーツ入門にオススメ
スポーツカー市場に冬の時代が続いていて、新しいスポーツカーがなかなか登場してこない。そのため、旧世代スポーツカーの価値は下がらず、格安なモータースポーツ入門車、ドラテク練習車に適した中古車は、ある程度限られてくる。
そうした中、入門者向きのできるだけ素直な性格で、パワーよりもシャシー性能優先、バランスに優れたお手頃モデルをピックアップ。タマによっては50万円以下で手に入るお買い得車両を紹介しよう。
ホンダ・フィットRS(GE8)
ふた昔前の走り屋たちにとって最も身近なクルマは、ホンダシビックやトヨタ・カローラレビン・トレノに代表される、1.6リッタークラス。いわゆる”テンロク”だった。2代目フィットRSは、120馬力を発生する1.5リッターエンジンを搭載。パワーやサイズもかつてのテンロククラスで、車重も1050kgとまずまずの軽さだ。
ボディもしっかりした個体が多く、後期型は6速MTも選べる。アフターパーツもわりと豊富で、中古車価格は45万円前後が相場。人気のホットハッチも身近に買える。
マツダ・デミオ スポルト(DE型)
欧州マーケットを意識した、新型プラットフォーム=マツダ・DEプラットフォームを採用した3代目デミオ。グレード「SPORT」は5速MTが用意され、専用チューンドサスペンションや専用ワイドタイヤ(195/45R16)、エアロパーツなどを標準装備し、ブレーキも大型化されている。
エンジンは1.5リッター直4DOHCから113馬力を発生。決して速くはないものの、軽快なハンドリングや燃費の良さ(街乗りで15km/L以上)に定評あり。中古車の相場は、48万円前後。
マツダ・ロードスター(NB型)
ライトウエイトスポーツの王道といえるロードスターは、まさにスポーツドライビングの入門者に好適。FR(後輪駆動)で走りにクセがなく、アフターパーツも豊富で車体も軽い。2代目NB型の中古車の平均価格は50万円ぐらい。トラブルも少ないし、なにより乗って楽しいクルマといえるだろう。
搭載エンジンは1.8リッターと1.6リッターの2種類なのだが、あえてのオススメはより軽快なハンドリングをみせる1.6リッターだ。
トヨタ セリカ(T230型)
セリカの最終モデル、7代目も推しの一台。連続可変バルブタイミングリフト機構VVTL-i付きの1.8リッター、190馬力の2ZZ型エンジンを搭載。6代目までは4WD+ターボのイメージが強く、T230型で“スポーツ色”が弱まったように思われがちだが、素直なハンドリングでシャシー性能も高い。
デザインの好き嫌いはあるかもしれないが、USトヨタの「CALTY」が手掛けたスタイリングは、ライトウェイトクーペとしてキレイにまとまっている。いまや6速MTで、乗れば意外にいいクルマが、50万円前後で購入可能だ。
三菱 コルトラリーアートバージョンR
三菱のコンパクトカー、コルトをベースにしたホットハッチ。ライバルとなる、スイフトスポーツやフィットRS、デミオスポルトと違い、1.5リッターエンジン+ターボというのが大きな特徴だ。
軽量ボディに必要十分な163馬力を発生。ゲトラグ製5速MT、レカロシート(オプション)というパッケージで、ボディもスポット増しで補強されるなど、コルトのエボリューション版として、侮れないポテンシャルを持っていた。
パワーのあるFF車(前輪駆動)の割に回頭性がよく、ドライビングプレジャーは上々。いまでも十分なパフォーマンスを持つ一台といえる。中古車の平均価格も40万円前後とお手頃。
スズキ・スイフトスポーツ(ZC31S)
コンパクトカー部門というか、“スイスポ”という新しいジャンルを作ってしまったような一台。ZC31Sは、スイフトスポーツの2代目で、1.6リッター125馬力のM16A型エンジンを搭載。モンロー製のダンパーや4輪ディスクブレーキを採用し、オプションでレカロシートも用意されていた。
素直なシャシー特性だったものの、エンジンパワーにもう少し余裕があって欲しかったのも事実。そこはアフターパーツもけっこう豊富なので、チューニングの幅を楽しんでほしい。
クルマのキャラクター的にハードに使われてきた個体が多いので、過度にイジってある中古車はなるべく避けたい。人気車ゆえに中古車価格はやや高め。しかし、50万円以下の個体も少なくはない。
輸入車
輸入車でスポーツドライビングを楽しむのも悪くはない。例えば、BMWの初代ミニ(R50系)なら、コンパクトで素直なFF車で面白い。車体のバランスやハンドリング、コーナリング性能も、じつは高いレベルを持っている。中古車も40万円ぐらいがひとつの目安。
またBMWの3シリーズ(E90)も、FRの傑作車として選択肢に入れてもいい。60万円前後が相場だが、探せば50万円ぐらいの個体も見つかる。ちょっと車体が大きいのが気になるが・・・。さらに先代のE46型だと、年式的にトラブルが出てくる心配もある。出モノがあれば、ボディがコンパクトなE46型もターゲットに入れておきたい。大物トラブルが発生したときの修理費は、E46型のほうが全般的に安い。