高齢者に我慢させないのがポイント
いよいよゴールデンウィークも目前! 旅行や帰省、お墓まいりに冠婚葬祭など、高齢の方との遠出を控えている方も多いのではないでしょうか。
普段は自立している高齢者の方でも、やはり若者世代と比べ疲れやすかったり、身体的な不安を抱えていることが多いもの。特に「トイレが近いから」という理由で、ドライブに抵抗を感じている場合も…。今回は、そんな高齢者の方と一緒に車移動を楽しむための対策をご紹介します。
欲張らずに「ゆとり」あるスケジュール調整
高齢者とのドライブで、何より大切なのは「ゆとりを持った計画」です。移動距離や時間は、とにかく無理せず短めに。何かあればすぐに休める余裕を持って出かけましょう。観光の場合はスポット数を絞って。
宿泊を挟む外出であれば、アーリーチェックインなども利用し、早めに宿泊先に入って休むことができるスケジュールがおすすめです。
周囲の人からトイレ休憩時間を頻繁に作る
ドライブ計画でとても大切なのが、トイレ休憩を多く取ることです。最低でも1時間〜90分に1回はSA/PA、道の駅などに寄るようにしたいところ。本人が希望しなくても、周囲が卒戦して早め早めの休憩を取ってあげると安心です。
また行程中に寄ることができるトイレをリストアップしておくのも大切。バリアフリートイレである必要がある場合は、それも調べておきましょう。
エコノミー症候群などの予防に十分な水分補給
トイレが近い高齢者の中には、同行者に迷惑をかけまいと、水分の摂取を減らしてしまう方も多いものです。しかし水分を摂らずにドライブを続けると、脱水状態やエコノミークラス症候群など危険な状況につながることも。安心して水分を摂れるよう、高齢者ご本人にも休憩は頻繁にできることを伝え、こまめな水分補給を促しましょう。
利尿作用が少ない飲み物がオススメ
コーヒー、紅茶、緑茶などカフェインを含む飲み物は利尿作用があるため、余計トイレが近くなってしまいます。水やスポーツドリンク、麦茶、ほうじ茶、ハーブティーなど、ノンカフェインの飲み物を、喉が乾く前にこまめに摂るようにしたいところ。水をたくさん飲めない方は、ドライブのおやつに、ゼリーやフルーツ、水羊羹など水分の多いものを取り入れるのもおすすめです。
血行を促すために休憩時間は長く取る
連休中はトイレの混雑も予想されます。高齢の方はお手洗いを済ませるのに時間もかかるので、休憩時間は長めに取りましょう。また、お手洗いに寄るばかりでなく、軽いストレッチなどをして、ドライブ中に滞りがちな血行を促すのも大切です。
いざというときのための携帯トイレ
連休中は渋滞が多く、なかなかSA/PAに入れない…という事態も起こります。念のため用意しておきたいのが「携帯トイレ」。吸収剤の入った袋と受け口だけのコンパクトなものから、簡易便座や目隠しポンチョなどが付いた非常用セットなど、様々なタイプが市販されています。
ひとたび大渋滞や立ち往生が起きれば、どんな人にも「非常事態」は訪れます。高齢者だけでなくクルマに乗るすべての人のために、いくつか常備しておくのがおすすめです。
リハビリパンツや尿取りパッドも強い味方に
どうしようもない非常事態には心強い携帯トイレですが、高齢者には車中での使用が難しかったり、また、心理的な抵抗から気軽には使いづらい場合も多いもの。
そこで、ご本人が受け入れられる場合は、リハビリパンツや尿取りパッドなどを身につけておくのも心強い対策となります。遠出の場合は長時間用のものが安心です。実際には必要がなかったとしても「着けているから、いざとなっても大丈夫…」という安心感で、より旅を楽しみやすくなるという利点もあります。
常備薬とお薬手帳の携行は忘れずに
トイレ問題以外にもいくつか気をつけたいことをご紹介すると…、常備薬、保険証やお薬手帳の携行も忘れずに。病院にかかっているご家族の場合は、一度、遠出の可否や注意点について主治医に相談しておくと、ご本人の安心にもつながります。
また高齢の方は、クルマに乗っているだけで体力を消耗するので、カーブの少ない道を選んだり、急ハンドル・急ブレーキなどを避けて穏やかな運転を心がけましょう。
状況に応じた福祉車両や、介助しやすい車種があれば一番ですが、急に用意するのは難しい場合も。乗降をサポートする手すりや、腰や首の角度を調整してくれるクッションなど、気軽に後付けできるアイテムを試してみるのもおすすめです。
高齢者にやさしいドライブは、すなわち運転者本人や周りの人にとっても安全なドライブです。
とにかくゆったり、無理せずに。のんびりドライブで休日を楽しんでくださいね!