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市場を席巻したトヨタ歴代マークII! ライバル日産ローレルとスカイラインより優位だった理由

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TEXT: 渡辺陽一郎  PHOTO: Auto Messe Web編集部

マークIIは1990年に30万以上の販売台数!2018年の国内販売第1位よりも多い!

 一方、マークIIは2代目の10/20系が1973年が20万5960台、6代目となる80系が1990年は30万118台と物凄い台数を売っている。2018年の国内販売1位は、2位に大差を付けてホンダN-BOXだったが、約24万台に過ぎない。いかに6代目80系マークIIの販売台数が凄かったかご理解いただけるだろう。

 4代目C110型スカイラインは、直列4気筒と6気筒でホイールベースを変えており、ファミリー層からスポーツ指向、ラグジュアリー指向まで幅広いユーザーをカバーした。それが1980年代に入ると、ライバル車が増えて、同じ日産のシルビアやレパードも売れ行きを伸ばし、販売下降を食い止められなかった。この対策を探るために、必死でボディの拡大と縮小を繰り返している。サイズを変えたから売れなくなったのではない。それでもクルマ好きから見れば、8代目スカイラインはコンパクトなボディで運転が楽しい。居住性から質感までバランス良く高めたマークIIに比べると、大いに好感を持てたモデルだ。

 このほか日産は1988年に初代セフィーロを発売して、スポーティなスカイライン、豪華指向のローレルとは違う都会的で新しい価値観を生み出した。人気は長続きしなかったが、エンジンや内装を自由に組み合わせられるバリエーション構成など、マークIIに比べて新鮮味の強いセダンであった。

 1990年には三菱からディアマンテが登場する。1989年の自動車税制改訂を踏まえて3ナンバー専用セダンに仕上げ、BMWを連想させるフロントマスク、前輪駆動と併せて4WDを幅広く設定したことなどが注目された。発売当初は好調に売れて「下取査定の高い人気車」と評判になったが、長続きしなかった。

 ボディサイズやエンジン排気量は違ったが、スバル・レガシィもマークIIのライバル車に含まれるだろう。1989年に発売された初代レガシィツーリングワゴン2.0GT4WDの価格は、この時に販売されていた6代目80系マークIIの2.0ツインカムグランデなどに近い。

 販売台数は6代目80系マークIIが圧倒的に多かったが、クルマ好きの間ではセダンも含めて走りの良いレガシィが人気を高め「スバリスト」という言葉まで生まれた。

 このほかホンダのインスパイアとアコード、マツダアンフィニMS-8などもライバル車といえるが、マークIIに比べるとインパクトは弱かった。

 このように考えると、マークII/マークXはライバルが不在といえるほど、息の長い人気車だった。現行マークXもV型6気筒エンジンを搭載した全幅が1795mmに収まる後輪駆動のセダンだから、貴重な存在だ。

 なぜもっと大切に育てないのか。マークXの廃止は、トヨタの国内市場に対する本気度を象徴しているように思える。ファイナルエディションを設定するのは、まだ早いと思う。

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