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硬くて辛そうなフルバケットシート!じつは長距離走行で疲れにくい理由とは

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

乗り降りと車中泊は辛くなるが・・・

 大きなクルマでも小さなクルマでも、走行中は常にドライバーが直接クルマとコンタクトしているのは、シートとハンドルとペダルぐらいだ。なかでもシートはクルマの司令塔であるドライバーのポジションを決める最重要なアイテム。

 精度の高い運転をしようとする時に肝心要のドライバーが、前後左右のG変化でグラグラ・ユラユラするようでは、クルマを的確にコントロールするのは至難の業だ。そういう意味でスポーツ走行では、ホールド性がよく、より正確なインフォメーションをキャッチできるシートは大きな武器となる。

 そのホールド性を優先するなら背もたれまで一体で成形されたフルバケットシートが一番理想。ハードに攻めた走りをしても身体をしっかりホールドし、一体式なのでシート自体の剛性も高い。しかも調整機構などがない分軽くて、着座位置も低くなるという大きなメリットがある。

 自分の体形にフィットしたバケットシートなら、たとえウレタンやスポンジが固目でも、体重がシート全体に上手く分散するので長距離運転でも疲れなくなる。スポーツドライビングではGに耐えて、体を支えるために筋力を使わなくて済む分、力みが抜けて、リラックスした状態で手足を自在に動かせる。

 だからこそレーシングカーでは、フルバケットシートが必須になっているというわけだ。

 ただ、ホールド性は乗降性とトレードオフになりやすいので、街乗りで頻繁に乗り降りするようなクルマには不向きで不便。

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