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土屋圭市が審査するドリフト競技に約100台のハチロクがエントリー

eスポーツのレースゲームと実車走行の架け橋

 5月12日(日)、栃木県にある日光サーキットで、一風変わったドリフトイベントが開催された。「ROOTS JDL ALL JAPAN AE86 DRIFT FESTIVAL 2019」という名がつけられ、その名の通り、2012年に登場したトヨタ86ではなく、1983年に登場したトヨタAE86型4代目カローラ・レビン/スプリンター・トレノ(以下AE86)を対象にしたイベントだ。エントリーは98台という盛況ぶり。ゴールデンウィーク明けの最初の週末だが、好天にも恵まれ非常に多くの観戦者が日光サーキットに集結した。

 このイベントは、AE86のみのドリフトイベント。走行会クラス、そして追走まで行うオープンクラスの2種類。走行会は4つのクラスが設定されており、初級16台、中級18台、上級20台、極20台の74台がエントリー。そしてオープンクラスは24台が参戦。走行会クラスは単走のみの走行だが、ギャラリーの投票によるコンテストの時間も用意され、各クラス3位までの表彰式も行われた。

 追走を行うオープンクラスは、単走での予選の結果、上位8台がシード権を獲得し、追走ベスト16に進出。予選で9位以下に沈んだ16台から、決勝ベスト16に進める8台を決める。審査員は、もちろんドリキンこと土屋圭市さん、そしてD1、フォーミュラD、ドリフトキングダムにも参戦してきた箕輪慎治さん、ドリキンのAE86の整備を担当するテックアート代表の鎌田芳徳さんという3名。そしてコメンテーターとしてプロゲーマーのチョコブランカさんもこれに参加した。

 このイベントは、タイトルにROOTSとあるように、昨年から土屋圭市さんがスペシャルアンバサダーとして関わっているeスポーツ大会との連携イベント。レースゲームと実車走行との懸け橋的なイベントとなっている。会場には昨年末の「ROOTS(ルーツ) e-sports最速決定戦!! JAPAN CUP」で優勝したやまどぅー選手、そして2位に入ったカルソニック選手が会場に訪れていた。「ドリフト競技を生で見るのは初めて。自分でもやってみたい、と思いました」と、やまどぅー選手。
 そして集結したAE86には、日産のSR型エンジンを搭載したマシンもあったが、大半がトヨタ4AG型エンジンを搭載し、そのパワーは頑張ってチューニングしても200馬力を少し超える程度。半数のマシンが200馬力を下回る。さすがに現在のドリフト界において戦闘力不足は否めない。

「ハチロク(AE86)じゃ勝てないからってドリフト・イベントにも誰も出てこなくなってきててね。それで燻ぶってた人たちがこんなにも集まってくれたってことだね。今回声を掛けて30台くらい来てくれたらいいな、と思ってたらこんなにたくさん来てくれた。ハチロクを大切にしてくれている人たちがいっぱいいるんだよね。ハチロクを大事に仕上げて、こんなに全開で走っている人たちが!」と土屋さん。

 土屋さんが危惧していた大きなクラッシュもなく、走行会4クラス×5本の走行枠、そしてオープンクラスの練習走行、予選単走、ベスト24の追走まですべてが無事に終了した。

 優勝したのは、その昔、土屋圭市さんとともにN2レースに出場した経験もあり、グリップでもN2で常にトップクラスの走りを見せる実力派の小泉コータロー選手。ドリキン土屋さんにあこがれてAE86に乗りすでに四半世紀。筑波サーキットのN2レースを中心に活動をしてきて、ドリフト競技の盛り上がりを受けて、N2で得た知見をドリフトにフィードバックしようと参戦している。

 昨年のドリフトキングダム日本海間瀬戦でクラブマンクラス優勝もしており、今回のこのイベントはおもしろそうだと参戦。今回はグッドライドのサポートを受け、初めて同社のタイヤでの競技となったようだが、マシンのセットとピタっとはまったことでこの結果につながったとも。土屋さんも「コータローがドリフトでこんなにうまくなっているとは思わなかった」とその走りを称えていた。

 ROOTS JDL、次回は「ALL JAPAN SILVIA DRIFT FESTIVAL 2019」と題して、日産シルビア/180SXだけのドリフトイベントを日本海間瀬サーキットで9月29日(日)に開催予定。こちらも見逃せないイベントだ。

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