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参加型モータースポーツが熱い! JAFライセンス所有者が急増した理由

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

発給数は5年間で1.5倍増加

 JAF(日本自動車連盟)が発行するモータースポーツのライセンス。所有者数は緩やかな減少傾向ともいわれていたが、ココ数年は増加に転じているそうだ。自動車メーカーによる啓蒙活動で認知度が高まったことや、誰でも手軽に参加できるカテゴリーの新設といったライセンス所有者が増えた背景を検証したい。

 モータースポーツ人気を推し量るとき、ライセンス発給数は大きな指針になる。近年は若者のクルマ離れという言葉から想像できるとおり、ライセンス所有者は横ばいか少しずつ減る傾向にあった。それが4~5年ほど前から一転して増加。なかでも5年前から約100件、144.4%も増加しているJAF愛媛支部に話を聞いてみた。

 ライセンス所有者は『F1ブーム』と呼ばれる1987年から1993年に急増し、レースを始めラリーやジムカーナなど参加型モータースポーツの競技人口も増えた。しかし、以降は魅力あるスポーツカーが生産終了となったり、世界的なエコロジーの波により衰退。ライセンス更新の手続きはカンタンなので、所有者数が急速に減ることはなかったが、かといって増える要因があるとも思えない。

 では、近年の急増はいったいどんな理由があるのだろう。JAF愛媛支部の鳥越さんによると、まずは自動車メーカーによるモータースポーツの啓蒙活動が活発化したことを挙げる。トヨタのWRC復活や全国各地で開催するイベントが増え、モータースポーツを身近に感じる機会が多くなったのは確かだ。

 もうひとつは参加さえすれば国内B級ライセンスを取得できる、新カテゴリー『オートテスト』の存在。競技というと高価な安全装備はモチロン、クルマも最低限のチューニングが必要になる。ところがオートテストは転倒や接触の可能性がゼロに近く、普段着とフルノーマルの車両で構わないため、参加に対するハードルをイッキに下げることができた。

 さらに他カテゴリーのように競技色が強くないのも、今の時代に合っているのかもしれない。B級ライセンスがあればジムカーナなどの競技に参加でき、レースに必要なA級の取得と道はどんどん広がる。JAF愛媛支部では2018年から年1回のオートテストを開催しており、毎回50~60名のエントリーと高い人気を誇っているそうだ。

 取得者は、若者から50代で初めてモータースポーツを体験する人まで幅広い年齢層。そこからA級にステップアップした人も多く、鳥越さんは「モータースポーツ人気の高まりを肌で感じています」と話す。今年の5月3日~5日には全日本ラリーが愛媛県で開催されたが、オープニングセレモニーには大勢のギャラリーが集まり、過去にない盛り上がりをみせたとのこと。

 ちなみにJAF愛媛支部ではオートテストの他、B級ライセンス講習会も年6回ほど開催。基本的なルールやマナーを学ぶには最高の場なので、モータースポーツをもっと知りたい、いずれは自分でも走ってみたいと考える人は、気軽に参加してみよう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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